■「幼稚園ママvs保育園ママ」見えない戦い
恐ろしいのは、グループでの情報共有速度です。小学校という新しい世界に子供が足を踏み入れた時期は、保護者としては少しでも情報がほしくなるものですよね。そんなとき、グループLINEは活発化します。
小学校は幼稚園と保育園の出身者が合流する場です。
幼稚園ママの中には、「保育園出身の子は乱暴」というイメージがいまだ根強くあるようで、特に小学校入学前後は保育園の子供たちをかなり警戒しています。そのため、幼稚園ママはわが子を守るために結束し、クラスを超えて、ありとあらゆる情報を収集・共有しています。
「1組のA君は乱暴」
「Bちゃんが、C君にぶたれたみたい」
こういった情報が、その日のうちに共有され、ママたちの間を駆けめぐり、「危険人物リスト」が作られていきます。情報の対象は同級生にとどまらず、上級生や先生にも及びます。その情報の伝わるスピードは、光速とも呼べるほど。
筆者も、子供が学校でトラブルに巻き込まれた際、本人が下校してくるよりも早く、「さくらちゃん(仮名)大丈夫だった?」というLINEが飛んできました。「何事なの!?」と、外出先から急いで帰り、娘の帰宅を待っていると、実はそんなたいしたことはなかった……なんてこともありました。
特に低学年のうちは、子供の情報だけではよくわからないこともあり、うわさや先入観で、話が大げさに伝わることも体験しました。
しかし、ママ友LINEには、さらに深い世界がありました。
■休み時間の校庭を見つめる「監視塔ママ」
そもそも、ママ友LINEでなぜここまで情報が出回るのか?
実は、情報元は子供だけではなかったのです。クラスに1人はいる“やたら情報通なママ”からも、情報は拡散されていました。
情報通ママは、PTA活動をバリバリやっていて学校に行く機会が多かったり、上に兄弟がいて他学年の事情に詳しかったり、というタイプが多いです。でも、もっとも恐ろしかったのは、登下校などで子供たちを監視……もとい、見守りつつ、その様子をリアルタイムでLINEに報告する「監視塔」タイプです。
子供同士のトラブルは、先生がいる教室内よりも、大人の目の届かない“校庭”で起きることが多いのをご存じでしょうか。そこで監視塔ママは、ときには休み時間に校庭を見守り、そこで起きたトラブルを随時報告していたというわけです。
もう1つ。LINEのトラブルの元になるのは、トークだけではありません。