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コミュニケーションデバイス「petoco」とは:

ドコモがスマートじゃないスピーカーを作ったワケ

2017年12月19日 11時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 E3が19日、スマートフォンから送信したメッセージをスピーカーから発話するコミュニケーションデバイス「petoco」の先行販売予約をMakuakeで開始しました。NTTドコモが開発した技術のライセンスを受けてE3が量産開発した製品で、一般販売価格は3万4800円。「ハイ、ペトコ」と話しかけて「メッセージを読んで」と言うと、メッセージを読みあげます。

 いわゆるスマートスピーカーのように見えますが、AI音声アシスタントを使っているわけではありません。ドコモがなぜスマートではないスピーカー技術を開発したのでしょう。NTTドコモの担当者、移動機開発部 第二イノベーション推進担当 村上圭一主査にワケを聞いてみると、小学校低学年までの子どもをもつ共働き親(DEWKs世帯)の悩みを解決するためという答えが返ってきました。

 「中学生くらいになれば携帯電話を持ちますが、“携帯をもっていない子ども”とのコミュニケーションのすき間を埋められないかと。家での子どもの様子を見守ったり、家族とのちょっとしたコミュニケーションがとれるような」(村上主査)

 親が仕事で遅くなると子どもがどうしているかが気になるもの。ちゃんと家に帰ったか、逆に親がどれくらいの時間に帰るか、おやつがどこに置いてあるか、夜ごはんは何にするか──など、冷蔵庫に貼りつけるメモのような親子の会話を橋渡しするのに適したデバイスが作れないかと考えたということでした。

 スマートスピーカーは利用者と家電あるいはサービスをつなぐ道具ですが、petocoはあくまで利用者と家族をつなぐ電話の延長線上にあるというわけです。

 petocoは本体に200万画素相当のカメラを備え、あらかじめ写真と名前を登録しておいた家族がカメラに顔を見せることで起動します。たとえば母親が息子宛にメッセージを送ったときは、息子がカメラの前に来たとき「お母さんのメッセージがあります」とpetocoがメッセージの着信を案内する仕組みになっています。

 子どもの見守りということでセキュリティーに配慮して、勝手に外からのぞけないようにと顔認証の仕組みを取り入れているそうです。会話データはすべてクラウド上に保存し、マイクも顔を認証して起動したときだけ立ち上げる設計。余談ですがGoogle Home Miniは家の物音を勝手に録音してGoogleに送信してしまうという問題が報告されたことがありました(問題は修正済み)。

 逆に、petocoからスマホ側に写真や動画を送ることもできます。「学校から帰った子どもが仕事中の親にビデオメッセージを送る」などの使い方を想定しているそうです。

 クラウド上のサービスを立ちあげることで時報・タイマー・アラームなどシンプルなボイスコマンドが使えるそうです。時報はワールドタイム対応。たとえば親が海外赴任中のとき、向こうはいま何時なのかがわかるような設計です。

 オバケのようなpetocoの顔は小型のプロジェクターで裏側から照射するリアプロジェクション方式で表示。18個のLEDライトを搭載し、RGBで色を変えられるようになっていて、変わったデザインのデスクトップライトとしても使えます。

 petocoは音声操作こそできるもののシンプルなデバイスです。それで3万円代半ばといわれるとウッと身構えますが、あらためて“家にあるデバイス”に必要なものを考えてみるとそれくらい単純でもいいのかもしれないと感じます。

 スマートスピーカーも多機能ではありながら、用途としては「音楽再生」「照明のオン・オフ」「タイマー」「アラーム」「時報」などの基本的な機能を多くの人が使っているそうです(Experian Insights調べ)。フタを開けてみれば、petocoのような「スマートじゃないスピーカー」が受け入れられるということもあるかもしれません。


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書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中

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