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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第69回

16インチを形作る2つの基準:

アップルMacBook Pro“制限”にぶつかる

2019年11月20日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●リミッターに当たった電源周り

 熱対策に余裕がある一方で、制限にぶつかったのが電源周りです。

 MacBook Proはこれまで、Webブラウジングと動画視聴10時間という基準でバッテリーを搭載してきました。今回のマシンではこの数値は11時間に伸びましたが、サイズの割に重量増加が大きく、170gも重たくなっていました。ディスプレーももちろん大きくなれば重くなりますが、やはりそれ以上にバッテリー増量分の重量が加算された結果とみるべきでしょう。

 そのバッテリーですが、今回の16インチモデルには100Whを搭載しました。この100Whと言う数字は、米国連邦航空局(FAA)が定める、航空機内に持ち込めるバッテリーサイズの上限に当たります。つまり、出張で飛行機に乗る人は、今回のMacBook Pro以上のサイズのバッテリーを搭載したマシンを持って行けないことを意味します。まずここが、1つ目の上限です。

 もう1つは給電/充電周りです。MacBook Proは2016年モデルからUSB-Cコネクタを接続する充電アダプタが付属してきました。13インチモデルには61W、15インチモデルには87Wが用いられ、USB-Cケーブルを通じて給電される仕組みでした。

 今回の16インチモデルでは、96Wというさらに大きな容量を持つ充電アダプタへと切り替えられました。ちなみに61Wのものも含め、16インチモデルで利用はできるそうです。ただし充電効率は単純計算2/3になってしまう点は注意が必要です。

 さて、この96Wという数字にもレギュレーションがあります。それはUSB-Cポートを通じた給電/充電はPower Delivery(PD)という規格を用いますが、その上限が100Wと定められています。つまり、アップルはUSB-CポートでのUSB-PD規格での充電を続ける限り、基本的にはこの96Wを超える充電器を付属させることは難しそうです。

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