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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第317回

#WWDC22(1):

アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは

2022年06月08日 12時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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 Appleは2022年6月6日から、米国カリフォルニア州クパティーノにある本社「Apple Park」で、世界開発者会議「WWDC22」を開催しました。

 新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの影響から、2020年のイベントよりバーチャル開催としてきましたが、今回は一部の開発者を招待し、初日の日程を本社で行なうハイブリッド開催としました。

 そこには、Appleが開発者との関係で大切にする思いが見え隠れしていました。

美しいApple Park

 Appleは2017年から段階的に、新社屋であるApple Parkを利用し始めました。1万2000人が働く巨大な施設は、17MWhの巨大発電設備でもあり、またカリフォルニアの原風景を思わせる植生や果樹園が広がるランドスケープでした。

 2年間訪れていなかった筆者からすると、植物が大きく茂っていることに驚かされます。当時はまだ植えたばかりという感じだった木々や草花がしっかりと根付き、それだけの年月が経っていたことを感じさせました。

 Apple Parkでのイベント会場は常にSteve Jobs Theaterという1000人収容のホールで行なわれていました。発表イベントとタッチアンドトライという、イベントの導線をあらかじめ組み込んだ設計です。

 誰でも入れるApple StoreとCafe Mac併設のApple Park Visitor Centerから丘を登る導線以外は、(基本的には)プレスも入ったり、自由に写真を撮ることができませんでした。

 巨大なメインの建物はLoop Buildingと呼ばれており、Steve Jobs Theaterの丘の上からもその巨大な姿を見ることができます。しかしApple Parkにはその他にいくつもの建物が存在します。

 たとえば社員向けのフィットネスセンター。一通りのトレーニング器具が揃っているだけでなく、ヨガスタジオも用意されており、ヨガや瞑想のセッションに参加することもできます。ちょうどApple Watchのエクササイズメニューを一通りこなせる、そんなおしゃれなリゾートのジムの装いで、1Fには健康的な野菜ジュースやスムージーが楽しめるカフェも用意されています。

 また、未知なる施設、R&DセンターもApple Park内にあります。Macの発表時ではおなじみのシリコンラボは、セットなのか、本当にR&Dセンターの中の風景なのか、外部の人間にとっては知るよしもないのですが、そんな謎めいた施設も存在しています。

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