KDDIは2020年2月以降、決済やコマースのサービスを「au PAY」ブランドに統一していく。
たとえば、これまでau PAYで利用していた「au WALLET アプリ」は「au PAY アプリ」に。au WALLET プリペイドカードやau WALLET クレジットカードも「au PAY プリペイドカード」「au PAY カード」になる。つまり「au WALLET」が消滅することになるのだ。
●脱「非接触決済」のパイオニア
auといえば、キャリアのなかでも脱「非接触決済」のパイオニアでもある。
2014年5月に、auユーザーに対してプラスティックカードの「au WALLET プリペイドカード」を配布。通信料金の支払いなどで貯まったポイントを街なかのコンビニなどで支払えるようにした。
この取組みで肝となったのがプラスティックカードだ。マスターカードのブランドをつけることで、コンビニやデパート、レストランなどで支払えるようにした。
キャリアが提供するリアル店舗での決済といえば、これまで「おサイフケータイ」が主力であった。一時期はケータイ、この10年はAndroidスマホに始まり、iPhoneでも「Apple Pay」としてFeliCaをベースとした決済が利用できるが、メリットもある一方、欠点も数多い。
FeliCa決済はユーザーにとってみれば、「かざすだけで支払える」というメリットはあるが「どこででも支払えると限らない」という欠点がある。
店舗からすると「FeliCa決済に対応する端末代、初期投資のコストが高すぎる。決済手数料も馬鹿にならない」という問題がある。
KDDIからすれば、おサイフケータイやFeliCaはNTTドコモやソニー、JR東日本が中心になって作ったもので、あまり旨味がないとされた。

この連載の記事
- 第141回 「ついに来たか」アップル次世代CarPlayに驚いたワケ
- 第140回 ANA、FeliCaからQRへ 今後はスマホで“おもてなし”
- 第139回 楽天モバイル0円終了、電気通信事業法が足引っ張る
- 第138回 「空飛ぶ基地局」競争が始まっている
- 第137回 楽天モバイル、政治の力でプラチナバンド獲得なるか
- 第136回 スマホの対応周波数、なぜ違う?
- 第135回 ドコモ「ahamo大盛り」狙いは収益回復か
- 第134回 ソニーとホンダ、面白い化学反応に期待
- 第133回 mineo「マイそく」キャリアの脅威になる新プラン
- 第132回 赤字過去最大の楽天、黒字化の鍵握る「楽天シンフォニー」
- 第131回 KDDIとソフトバンク、値下げで大幅減収 5Gで回復目指す
- この連載の一覧へ