●売るときのコツはSEO対策
── 逆に、メルカリでうまく売るコツはありますか。
一言で表現するならSEO対策ですね。
── SEO的なコツがあると。
いかにインプレッション数を稼ぎ、滞在時間を延ばすかが基本です。
── ガチでしたね。
上からいきましょう。写真から。
── はい。
写真1枚目はできるかぎりプロが撮った製品写真を使うこと。なぜかというと、スマホの小さな画面の中で3等分されるとせいぜい1.5cm四方程度なんですよね。そこでパッと見て「いいな」と思ってクリックされるかどうかが勝負なんです。そしてそこから滞在時間を延ばすためには、実物の写真を3~4枚目にかならず入れること。
── わたしは普通にiPhoneで撮った写真しか使っていませんでした。
タイトルは「KISSの原則」知ってますか?
── すみません、初めて聞きました。
「Keep it short and simple(KISS)」という原則があって。たとえば「ローゼンダール」とか言ってもわかんないですから「北欧 超有名ブランド 新品」。入ればスラッシュつけて「ローゼンダール」くらいで。
── そういうタイトルの商品を買ったおぼえがあります。
次、大事な商品概要です。最初に挨拶を入れます。
── 挨拶が必要なんですか?
絶対に必要です。「ご覧いただきありがとうございます」から。なぜならば、1000件、2000件と取引がたまっていくと、たまに悪い評価をいただくこともあるんですよ。別にそれを気にしてもしょうがなくて、次から自分がどうするかっていうスタンスのほうが大事なわけです。そのスタンスをまず、見ている人に伝えること。
── 自分の誠意を伝えると。
そうです。そして新品の場合はそこからすぐ商品説明でも大丈夫なんですけど、中古品で瑕疵がある場合は最初に書くことですね。「毛玉がついています」「穴があいています」「こういう使用ならまったく見えませんのでご安心ください」「ただしご理解の上でご購入下さい」「定価は3万円のところ3000円でお出ししています」みたいな感じで書くと、納得して買ってくださる方もいらっしゃるし、クレームもありません。不動産業と同じです。
── 中古物件と同じわけですね。留意点はあきらかにすると。
何年もやっていると息を吸って吐くようにこれが書けるようになります。
── すごいですね……。
それと、商品概要の中に「この系統のデザインが今期ZARAとかLOEWEとかでも使われています」「普段こんな雑誌をお読みの方いかがでしょうか」とかいうワーディングを入れておくと、引っかかってきますよ。
── 検索時に商品概要のワードも拾ってくるからですね。単にブランド名や雑誌名などのキーワードを羅列するだけではダメなんですか。
ダメです。SEOの世界でもキーワードの羅列は「キーワードスタッフィング」(キーワード詰め込み)というスパムとみなされます。
── 機械から自然言語として処理される文章を書こうと。
そうです! 良いこと仰いますね、説明文は自然言語として処理されるのが第一です。