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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第44回

アップル「iOS 13」戦略解説:

アップル「iOS 13」日本で重要なワケ

2019年06月25日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●アプリサイズ縮小による高速化の本質とは?

 最新の製品が早いのは当たり前です。もちろん競合となるスマートフォン同士でのパフォーマンス争いはありますが、チップ単位の採算を度外視でき、動作させるOSまで作り込むことができるApple Aシリーズに、勝てるチップを単体でビジネス化することは、事実上不可能です。iOS 13のパフォーマンスの勝負の本質は、そこではありません。

 iOS 13は、A9プロセッサ以降の製品で動作します。iPhoneで言えば、2015年発売のiPhone 6s、2016年発売のiPhone SEとそれ以降のiPhoneで利用できます。特に途上国を中心にこれらのデバイスはまだまだ人気がありますし、日本のような先進国でも、格安SIMとの組み合わせで安くiPhoneを導入したい人に根強い人気があります。

 このあたりのデバイスで、体感的に「サクサク感」を出すにはどうすればよいか。その答えが、アプリ起動の高速化。そのためにアプリサイズを小さくすれば、アプリを読み込む時間は、プロセッサの世代にかかわらず高速化できます。考えてみれば当たり前のことですが、それが実現できるかと言われれば難しいかもしれません。

 アプリサイズ縮小にはもう一つのメリットがあります。現在の最新モデルは64GBストレージからの販売となっていますが、過去のモデルには16GBで販売されていたものもあります。アプリサイズが最大50%縮小できれば、古く容量の小さなiPhoneを持っていたとしても、よりたくさんのアプリを楽しむ事ができるようになります。

 これらの理由から、アプリサイズ縮小と、それによるアプリ起動の高速化は、過去のiPhoneのための施策、と捉えることができるのです。

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