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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第76回

WWDCなどのAPI公開が見ものだ:

アップルiPhone今年の大注目は「U1チップ」

2020年01月15日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

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 2019年モデルのiPhone 11には、U1チップという新しいアップルデザインの独自チップが搭載されました。

 ここで、アップルが設計するチップについてまとめておくと、

・ Aシリーズ(iPhone・iPad・Apple TV・HomePod・iPod touch)
・ Hシリーズ(AirPods、AirPods Pro、Beats製品)
・ Mシリーズ(モーションコプロセッサ。Aシリーズに統合)
・ Sシリーズ(Apple WatchむけSiP(System in Package))
・ Tシリーズ(iMacを除くMac)
・ Uシリーズ(iPhone 11シリーズ)
・ Wシリーズ(Apple Watch・AirPods)

 というラインアップになっています。余談になりますが、B、C、D、E、F、G、I、J、K、L、N、O、P、Q、R、V、X、Y、Zのアルファベットが残っています。ニューラルエンジンが搭載されているので、Nは埋まっていると思っても良いかもしれませんが……。

 さて、iPhone 11、iPhone 11 Proに搭載されたU1チップ。「Ultra Wide Band」、UWBといわれる無線通信が使えるチップです。数百MHzから数GHzという非常に広い周波数帯域を用いる無線方式で、もともとは軍用のレーダーとして活用されてきました。民生用に解放されたのは2002年からとなっています。

 UWB、実は民生向けに利用できるようになった際には、近距離で100Mbpsという高速通信が可能だったことから、HDMIの無線化やUSBのような汎用デバイスで活用されることが期待されていました。しかし国ごとに規格を統一することが難しかったという事情があります。

 現在もUWBが民生向けに許可されていない国はまだあり、その国ではiPhone 11が自動的にUWBの機能をカットする仕組みを備えています。iPhone 11が勝手に位置情報を取得しているとユーザーからセキュリティ不安の声が上がりましたが、アップルによると、UWBチップを使っていい場所かどうかをiPhoneが端末内でチェックするためだとの説明がありました。

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