CC、MCに続く3つ目「DC」が登場
アドビは3月18日、個人および法人向けの新ソリューション「Adobe Document Cloud」を発表した。Adobe Document Cloudは、簡易的な書類の記入から複雑な企業文書ワークフローまでの文書処理を、クラウド経由で効率化するというもの。
Photoshop CCやIllustrater CCをふくむ「Adobe Creative Cloud」、マーケティングソリューションの「Adobe Marketing Cloud」に続く、同社第3のCloudソリューション。
Document Cloudの中心となるのは、同じく今日発表の「Adobe Acrobat DC」。従来の「Acrobat」をベースとしながらe-sign(電子署名)機能を実装するなど大幅に刷新している。同社では、「e-signをビジネスの主流な工程のひとつにすることを目指す」としている。
Document Cloudでどんなことができる?
Adobe Document Cloudに含まれる主な機能は下記のとおり。
- Acrobat DC
- e-sign
- Acrobat Mobile
- 文書管理、コントロール
デバイスの種類にかかわらず快適に使えるように設計され、タッチ操作が可能なインターフェースを搭載している。紙の文書を編集可能なデジタルファイルに変換し、署名を得るために送信することも可能。
eSign(旧Adobe EchoSign)は、Adobe Document CloudおよびAdobe Creative Cloudの一部として、Acrobat DCのすべてのサブスクリプションライセンスで提供される電子署名サービス。さまざまなデバイスからの文書を電子メールで送信し、署名する/してもらうことが可能。署名にはブラウザーを利用するが、OSやブラウザーソフトによる制限もないという。
Acrobat Mobileを利用すると、スマートフォンやタブレットから直接文書の作成、編集、コメント、署名が可能。デバイスにカメラが搭載されていれば、紙ベースの文書を編集可能なデジタルファイルに変換できる(歪みの補正も可能)。
文書を誰がいつ開封したかなど、特定の文書が処理プロセスのどの工程にあるかをトラッキングできる。文書は、ファイアウォールの内側/外側の両方で保護されるという。
紙から卒業すると、どのくらいの効率化になるのか?
アドビが実施した調査によれば、書類による業務プロセスは生産性向上と効率化の大きなさまたげになる。日本のビジネスワーカーの86%が、「書類による業務プロセスが生産性の妨げになっている」と回答しており、また、37%がペーパーレスに移行しない理由を「方法がわからない」「ペーパーレスという選択肢がない」「概念がない」と回答しているという。
また同社では、IDCが「電子化されていない文書」の問題を解決することは、すべての企業が「36%の売上向上」、「30%のコスト削減」、「23%のコンプライアンスリスク軽減」というメリットを享受できると分析していることを挙げた上で、
「個人も企業も、無駄が多く、断片化された文書の処理に多くの時間を取られている。書籍、映画、音楽などが電子化される中、文書とその処理プロセスは電子化にいたっておらず、変革が求められています。Adobe Document Cloudは、ドキュメント業務に革命をもたらし、簡素化する(テクノロジー&コーポレートデベロップメント シニアバイスプレジデントであるブライアン ラムキン/抜粋)」とコメントしている。
間もなく提供を開始
Acrobat DC(Adobe Document Cloudの機能を含む)は、「永続ライセンス」と「サブスクリプションライセンス」の2種類で販売される。価格は以下の通り。本日より30日以内に提供を開始するという。
サブスクリプション版 | 永続版 | |
---|---|---|
Acrobat Standard DC | 1380円/月 | 新規3万4800円、アップグレード1万8200 円 |
Acrobat Pro DC | 1580円/月 | 新規5万4800円、アップグレード2万4200 |
