本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第24回は、ページ数の多い文書にしおり機能で目次を作成してみる。

しおりを目次代わりにしてみる
ページ数の多いPDFファイルで目当てのページを探すときに、いちいちキーワード検索したり、思いっきりスクロールするのは面倒だ。そんな時、しおりがついていれば、目次代わりに利用できる。リンクも張られるので、クリックすれば瞬時にそのページが開くのだ。
まずは、しおりを付けたいページを開き、しおりを設定する領域を選択する。通常は見出しなどのテキストを選択すればいいが、画像を選択することも可能だ。左側の「しおり」パネルを開き、「新規しおり」ボタンをクリック。テキストが選択されていれば、その文字列を名前とするしおりが作成される。別の名前にすることも可能だ。
これで、しおりパネルのしおりをクリックすれば、設定したページにジャンプするようになる。設定したしおりはAcrobat Reader DCやスマホアプリのAcrobat Readerでも利用できる。
選択した文字列によっては、しおり名が複数行にわたって表示されることがある。内容がきちんとわかるものの、目次として使いにくい、というなら折り返さないように設定しよう。オプションをクリックし、「長いしおりを折り返す」のチェックを外せばいい。
章の中の節など、目次のようにしおりにも階層をつけることができる。まずは前述の方法で普通にしおりを作成し、ドラッグ&ドロップで入れ子にしたり、順番を変更すればいい。
しおりの見た目を変更したい時は
しおりのオプション画面では、しおり名の表示方法や特定の処理を行なう「アクション」を設定できる。しおりの見た目にこだわってもしかたがないが、どうしてもこの見出しだけは赤くしたい、ということがあるかもしれない。
「アクション」では、しおりをクリックしたときにサウンドや動画を再生したり、ウェブサイトを開いたり、 JavaScriptを実行したりできる。フォームをクリアしたり、フォームに別ファイルからデータを取り込んだりすることも可能。普通の使い方では必要ないが、インタラクティブにPDFを活用するときに利用できる。この機能が存在することは覚えておくといいだろう。
しおり部分でファイルを分割する方法
「第23回 PDFからページを抜いたり順番を入れ替える方法」でファイルの分割方法を紹介したが、しおり部分でファイルを分割することもできる。この場合、最上位のしおりで自動分割され、入れ子になったしおりは無視されるので注意すること。ちなみに、ページ数やファイルサイズで分割した場合でも、しおりの情報は保持されるのがありがたい。
しおりを手動で設定するのが面倒な場合
いちいちしおりを手動で設定するのは面倒! というのであれば、オフィス文書からPDFを作成する際に自動で生成することもできる。Officeの「Adobe PDFとして保存」を開き、保存ダイアログの「オプション」で「しおりを作成」にチェックを入れておけば、自動的に全ページのしおりが作成される。Wordなら見出し、Excelならシート名、PowerPointならタイトルがしおり名となる。後は、不要な項目を削除したり、入れ子構造にして整理すればいい。

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