本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第18回は、電子署名を付けてPDFの改ざんや意図しない変更を防止してみる。
電子署名が付いたPDFファイルを作成してみる
アナログ文書であれば、改ざんされると跡が残ってしまう。しかし、デジタル文書は修正が簡単な反面、改ざんされたことがわかりにくいのがネック。そこで、重要なデジタル文書には、電子署名を付けて、文書が本物であること、そして改ざんされていないことを証明することができる。電子署名は電子印鑑(「第14回 請求書などのPDF書類に電子印鑑を押す方法」を参照)とはまったく異なる機能となる。
電子署名は、自分を本物だと証明するために「デジタルID」が必要になる。このデジタルIDの発行方法は2種類あり、自分で発行するか、サードパーティープロバイダーから発行してもらう。今回は、まずシンプルなSelf-SignデジタルIDを利用して、PDFの改ざんや意図しない変更を防止してみよう。この方法であれば、お金もかからないし手間もかからない。
まずは、デジタルIDを付与したいPDFファイルを開き、「ファイル」メニューから「そのほかの形式で保存」→「証明済みPDF」をクリックする。署名を付けたい部分をクリックして、電子署名を選択すれば完了。初回署名時には、新しいデジタルIDを作成する必要がある。とは言え、ファイルに保存するだけなので簡単。作成したデジタルIDを選べば、電子署名が付いたPDFファイルが作成できる。
このファイルを何もせずにほかのPCで開くと、「文書の証明の完全性が不明です」と表示されるようになる。
文書を証明する方法
文書を証明するには、証明書をあらかじめ相手のPCにインストールしてもらう必要がある。まずは、自分の証明書を書き出そう。「編集」メニューから「環境設定」を開き、「署名」をクリック。続けて「IDと信頼済み証明書」の「詳細」をクリックし、「デジタルID」で自分の名前を選択。「書き出し」をクリックし、ファイルに保存すればいい。
作成した証明書ファイル(.fdf)を相手に送り、インストールしてもらう。Acrobat DCはもちろん、Acrobat Reader DCでもOKだ。証明書ファイルをダブルクリックして「連絡先の信頼を設定」を開き、「この証明書を信頼済みのルートとして使用」と「証明済み文書」にチェック。これでファイルを開くと、署名されてから文書が変更されていないことを確認できる。
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