日本でも動き始めました「ネイティブアド」。
「一般社団法人 インターネット広告推進協議会(以下、JIAA)」が7月28日に研究会の設置を発表しました。リリースによると「会員社を中心とした5~6回の研究会を通じてネイティブアドの普及啓発を促進すると同時に、日本におけるネイティブアドのガイドラインを策定」をするそうです。
情報に敏感な皆さんは、一昨年から「ネイティブアド」という単語が日本でもチラホラ出ていたのはご存知ですね。
米国ではIABが手引書を作成
米国のネット広告団体である「Interactive Advertising Bureau(以下、IAB)」が、2013年12月4日に「IAB Native Advertising Playbook」を発表、公開しています。
残念ながら英文です。しかし、素晴らしいことに和訳が幾つかあります。もちろん、各社のご厚意で公開されているわけで、利用は自己責任です。私の知っているのは以下の二つです。
- ビルコム株式会社 代表取締役 太田滋のブログ
「ネイティブアドとは Part2 翻訳PDFアップしました」 - デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
「IABの「ネイティブアド・プレイブック」レポートの日本語版を掲載しました」
ネイティブアドって何?
困難が予想されるのが、「ネイティブアド」の定義です。
先行するIABでもガイドラインというカタチで発表はされていません。「IAB Native Advertising Playbook」にも「どれがネイティブアドなのか? という不毛な議論がある」と指摘しています。
「どれが、記事で」「どれが、広告で」ではなく、そもそも「ネイティブアドって何?」という話です。「ネイティブ」であり「アド」であることは前提として理解されたかのような感じです。
でも、そこから私は分からない、定義されていないように感じるのです。
「アド」はもちろん「広告」ですから、有償であり販売されているものです。媒体社のサイトに掲載されるものです。どんな表現方法であっても。ただ、今までは「バナー広告」「テキスト広告」など原稿形式が定められ、深く考えなくても問題はありませんでした。
ところが、ネイティブアドの問題は、既にあるステマやアフィリエイトやペイドパブリシティ、タイアップ広告と一部分似てるように見えてしまう事にあるでしょう。
「ネイティブ」は解釈が難しいです。何が「ネイティブ」なんでしょうか?
- ユーザから見て広告とは思えない、記事同様に「自然に見える」ことでしょうか
- 広告主から見て、媒体サイトに掲載されても違和感のない(掲載)表現で「自然である」ことでしょうか
- ユーザに広告をコンテンツして「自然に受け入れてもらう」ことでしょうか
- 媒体社が記事掲載と同じように、広告枠を意識することなく「自然にできる」ことでしょうか(広告専用のフォーマットではなく、媒体社の記事フォーマットを使う)
どれも正しくはないでしょう。たぶん、暫定的な解釈ですが…。
BTA(Behavioral Targeting Advertising)でサイトを跨って追いかけるんじゃなくて、こんなサイトをご覧になるなら、こんな商品・サービスは如何でしょうか? みたいな、土足でユーザに踏み込んでいかない紳士なアプローチ、押し込むんじゃなくて「さりげなく」目に触れるようにする、のが結果的にネイティブアドと言われるモノになったようなものだと思います。「さりげなく(ナチュラルに)」ユーザに対して接触し、嫌悪感を持たれないようにするためと言えると思います。
ともあれ、今後はネイティブアドに関する概念などもより議論され、その技術や事例が色々とでてくるのでしょう。注目されるネイティブアドが今後広告枠の概念を超える存在までになるのか? 今後の行く末に注目です。