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訪日だけじゃない!越境ECでも「爆買い」2つのパターン

2015年06月16日 11時00分更新

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前回、中国人観光客が「爆買い」をしに日本に大挙襲来しているというお話をしましたが、今回は、中国人の買い物が旅行消費にとどまらず、中国国内からインターネットを利用して日本の商品を購入しているというお話をご紹介します。

中国人が通販サイトで日本の商品を入手する方法は、2パターンあります。

パターン1.積極的な越境ECの利用

中国のEC利用者のうち、越境ECを利用する割合は35.4%(平成26年8月、経済産業省「平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」)2013年 ※経済産業省調査)とも言われています。

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越境EC利用率(2013年:経済産業省調査)

今、中国のネット上には、日本のECサイトでの買い物方法を説明するサイトがたくさん存在します。正規の商品を手に入れるためにも、自ら日本のECサイトに直接アクセスし、注文をする面倒を厭わない中国人が増えています。

これは、同じ商品を中国国内で購入するより安いことも影響していると思います。

中国国内で商品を購入しようとした場合、当然、輸入の関税や輸送費、その他のマージンなどが加わりますから、同じ商品でも高額になってしまいます。言葉の面やサイトの使い方に多少煩わしさがあっても、日本のサイトから直接購入した方が、国際配送料のみになりますから、安く購入できる場合が多いのです。

パターン2.「天猫」に出店している日系企業の利用

中国最大のECモール「天猫(Tmall)」(アリババ社が運営するB2Cのショッピングモール)には、近年、日本の企業が続々と出店しています。

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天猫トップページ

「天猫」の運営初期から出店をしていた日本のある下着メーカーは、その多様な機能性と女性のこころを掴む華やかなデザインから、単調なデザインのものしかなかった中国の下着事情の中で、瞬く間に中国人女性の心を掴みました。中国の若い女性たちがその下着メーカーに飛びついたことから、ECでの売上は好調に伸びました。今では、毎年、中国で下着ショーを開催し、様々なメディアに取り上げられたり、上海や北京などの大きな都市でリアルも店舗も数多く出しています

また、このメーカーは、WeChatに設けた公式アカウントからも、クーポンやキャンペーン情報、新商品の情報などをアクティブに発信し続け、そのメーカーのファンユーザーとのコミュニケーションを重視しています。

これは、日本の高い品質を武器に、早期より積極的に中国のEC市場に切り込み、中国国内での積極的なプロモーションの結果、中国での展開に成功したとてもいい例だと思います。

日本の企業の皆さま!

日本人が目にしていない「爆買い」予備軍の中国人たちが、まだまだたくさん中国国内には潜んでいます。

商品の売り上げを拡大するため、中国人向けの商品開発や、中国市場でのプロモーション、販売ツールをうまく活用することで、日中両方に中国人たちの「爆買い」の火をつけることができるかもしれません。

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