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3割が「課金あり」 調査でわかった大学生のスマホゲーム事情

2016年03月15日 11時00分更新

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今回のテーマは「大学生のリアルなスマホゲーム事情」です。

お小遣い制度から解放されて自由にできるお金が増え、非常に長い余暇時間を持つ大学生。彼らはスマートフォンゲームとどのように付き合っているのでしょうか?

「大学生ってあんまり課金とかしないんじゃない?」
「友達と一緒にテレビゲームする方が多いんじゃない?」

といった声をよく聞きますが、実際はどうなのでしょう。

大学生に対して実施したアンケート結果をもとに書いていきます。

<調査概要>

  • 調査実施期間:2016年1月25日~1月29日
  • 調査方法:Web調査
  • 調査対象:2016年1月時点で在籍中の大学生(短期大学及び大学院を含む)※機縁法による
  • 回収サンプル数:220件
  • 調査実施:株式会社D2C R

スマホゲームユーザーは全体の約7割。うち、課金ユーザーは約3割

はじめに、全体的な利用動向を見てみます。

アンケートの結果、約7割のユーザーがスマホでゲームをプレイしており、約5割のユーザーはほぼ毎日プレイしているという結果になりました。

また、課金動向に関しては、全体の約2割がスマホゲームに対して課金する、という結果が出ました。これを「スマホでゲームをプレイする」と回答したユーザーに絞ると、課金者の割合は約30%となります(※ちなみに、「課金する」と答えた大学生の1か月あたりの課金額は「3,000〜5,000円」が最も平均的でした)

個人的な感想としては、ゲームプレイ率は予想より少し低いものの、思ったより課金率が高いなという印象です。少なくとも「大学生は他のユーザー層と比較して著しく課金率が低い」ということはないかと思います。

課金経験有りという大学生男子からは、「大学の友人グループで、自分だけ取り残されたくないから課金する」という声もありました。どの世代にも見られる「見栄」のようなものだと思いますが、特に学生にはこのような傾向は顕著なのかもしれません。

次は、ゲームアプリをインストールするきっかけについて見ていきます。

友人からの口コミ > ストアランキング > 広告

「ゲームアプリをインストールする一番のきっかけは?」に対しての回答結果は以下の通りです。

友人からの勧めが第1位、次いでストアランキング、スマホ広告、テレビCMと続きます。

この、影響度の序列については驚くべきものではなく、MMDLaboが15歳以上を対象にした調査でも類似の結果が出ています(※こちらは複数回答である点に注意)

ただ、「友人からの勧め」の比率の高さは、先ほどの課金率のくだりでも触れたような、学生ならではのリアルの交友関係の強さに起因するところがあるように思います。

また、テレビCMの影響が予想外に低いのも気になりました。

以下は、同時にアンケートを行ったアプリ別の認知率グラフです(※プレイ経験は問わず、あくまで認知のみ)

上位は納得の認知率かと思いますが、テレビCMでよく見かける印象の「剣と魔法のログレス」が20%に満たない、というのは低いなと個人的に感じます。吉田鋼太郎さんとハライチ澤部さんの掛け合い(特に吉田さんの「ログレス!」という力強いお声)は、インパクトも強いですし相当いろいろなパターンをテレビで観た気がするのですが…

これを「若者のテレビ離れ」や「タイムシフト視聴」の影響として結論付けるのは安易すぎますが、大学生のテレビとの付き合い方がその他の層と少々異なるということは言えそうです。大学生の認知を幅広く獲得するには、仲間内で話題となるような仕掛けが必要なのかもしれません。

※テレビに関しては門外漢ですので、このあたりで留めさせて頂きます。

求めるものから見える、大学生のスマホゲームとの付き合い方

次のグラフは、「大学生がスマートフォンのゲームアプリに求めるもの」について、複数回答のアンケート結果です。

半数以上の大学生が挙げた、操作性が第1位となりました。次いでグラフィック/キャラというビジュアル関係、そしてストーリー性が続きます。

一方で、最近スマホゲームで流行りの「協力」「コミュニケーション」要素については、さほど伸びない結果となりました。仲間内でいる時間が長い大学生だからこそ、このような要素を重要視するのではと思っていたのですが、これはなぜなのでしょうか。

数人の大学生へのインタビューから、このアンケート結果の裏側にある、「大学生のスマホゲームとの付き合い方」の一端が見えてきました。

スマホゲームはスキマ時間に1人でやるもの。友達とはコンソールで!

あくまでインタビューに答えた数人の意見になりますが、スマホゲームは「スキマ時間に1人でやるもの」と捉えている傾向が強いようです。「スキマ時間に1人でやるもの」と捉えているため、友人と共通のスマホゲームについて話す場合も、「ガチャでこれ引いた!」といったコレクター的な話題が多く、「じゃあ、いま一緒にやろう」とはなりにくいようです。

友人と一緒にプレイする場合は、そのために時間を確保しコンソールで腰を据えるため、必ずしもスマホゲームに「協力」「コミュニケーション」などのマルチ要素を求めていないのだそうです。

一方、「スキマ時間に1人でやるもの」と捉えていることから、短いスキマ時間でストレスなく「サクサク遊べるか」という操作性は非常に重要視されている、ということです。ツムツムなどのカジュアルゲーム人気もうなずけます。

そんな中、「カジュアル」とはどちらかというと反対の要素に思えるストーリーが上位に来ているのは一見矛盾する気がします。しかし、「1人で進めるからこそ、ストーリー性がないと飽きる」ということがあるようです。

まとめ

今回のアンケート結果から、大学生のゲーム人口割合及び課金率は決して低くはないことが分かりました。

ただ、友人とオフラインで共有する時間が長いため、社会人世代と比較してリアルグラフの影響がより強く、彼らにアプローチするには「仲間同士で勧めたくなる」ような仕掛けが必要になりそうです。

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