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スマホ視聴率から見る、年末年始の人気・不人気サイト

2015年12月22日 11時00分更新

記事提供:WPJ

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流行語大賞の発表、紅白歌合戦の出演者の発表も終わり、今年も残すところあと少しとなりました。年末年始に向けて忙しくなるこの時期、生活者はスマートフォンをどのように利用しているのでしょうか。

スマホユーザー6万人のアプリ利用動向まとめ」では、23個のアプリカテゴリーを、

  1. 平日と休日で利用傾向に違いがあるか
  2. 利用が活発になる曜日×時間帯はどこか

の観点から分類しましたが、今回は、シーズナリティ(季節性)に着目して「年末年始の利用動向」に焦点を当ててみます。

ニールセン社が提供するスマートフォン視聴率データ「Nielsen Mobile NetView」の1年前(2014年12月~2015年1月)のデータをもとに見ていきます。

分析視点と定義

着目する視点は、以下の2つです。

  1. 年末年始はどのようなサイトやアプリがより多くの人に使われるのか
  2. 逆に、利用度が低下するサイトやアプリはどのようなものか

ニールセン社では、スマートフォンのコンテンツ(Webサイトやアプリ)を大きく18のカテゴリーに分類しています。図は、各カテゴリーの当該期間の訪問者数一覧です。

ここでの「訪問者数」は、1カ月間に1回以上、各カテゴリーに分類されているサイトのいずれかに訪問した(アプリを起動した)ユーザーの数をニールセン社が推計したもので、単位は1000人です。「サーチ、ポータルとコミュニティ」「エンターテイメント」「コミュニケーション」といったカテゴリーが訪問者数で上位を占めます。

今回は、この18のカテゴリーごとに、「2014年12月1日-2014年12月7日」~「2015年1月26日-2015年2月1日」の計9週間の週次データを抽出しました。そして、12月第1週(「2014年12月1日-2014年12月7日」)の訪問者数を100.0とした時の各週の訪問者数を計算し(=訪問者数指数)変化を見ていきます。

その結果、多くの人の年末年始休暇を含むと考えられる1週間(「2014年12月29日-2015年1月4日」)に訪問者数が増加した(ピークとなった)カテゴリーと、減少した(底となった)カテゴリーが確認できました。

※9週間の訪問者数指数において、「2014年12月29日-2015年1月4日」の数値が最も高く(低く)、かつ「2014年12月1日-2014年12月7日」の訪問者数指数に対して10ポイント以上高い(低い)カテゴリーを、増加した(減少した)カテゴリーと定義しています

年末年始に訪問者数が増加したカテゴリーは?

18カテゴリー中、年末年始休暇週に訪問者数が増加した(ピークとなった)カテゴリーは、

  • 「写真機材、写真サービス」
  • 「コンピューターと家電製品」

の2つでした。

12月第1週を100.0としたときの年末年始休暇週の訪問者数指数は、「写真機材、写真サービス」では112.7、「コンピューターと家電製品」では111.6まで増加しています。いずれもその期間をピークに翌週以降減少し、1月最終週に向けてまた増加傾向にあります。

写真機材、写真サービス」カテゴリーの詳細を見ると、アルバムアプリ写真撮影アプリ画像加工アプリが訪問者数上位となっており、いずれもこの期間に訪問者数が増加しています。帰省などによる家族や友人との再会や、旅行などの非日常といった年末年始ならでは生活行動があらわれた数字となっているのではないでしょうか。

一方、「コンピューターと家電製品」カテゴリーの訪問者数はなぜ増加しているのでしょうか。

詳細を見ると、いわゆる家電量販店のサイトやアプリの訪問者数が、この期間に増加傾向にあるようです。もしかしたら、「初売り」とか「福袋」といったことが関係しているのかもしれません。

年末年始に訪問者数が減少したカテゴリーは?

18カテゴリー中、年末年始休暇週に訪問者数が減少した(底となった)カテゴリーは、

  • 「その他企業」
  • 「行事、ギフト」
  • 「教育とキャリア」

の3つでした。

12月第1週を100としたときの年末年始休暇週の訪問者数指数は、「その他企業(71.5)」カテゴリーで最も落ち込みが激しく、「行事、ギフト(86.4)」、「教育とキャリア(87.8)」も1割以上減少しています。

その他企業」カテゴリーの詳細は不明ですが、「そこで何らかのサービスを展開しているサイトやアプリ」は別のカテゴリーに分類されているものが多そうです。ということは、一般的な商品情報サイトやコーポレートサイト、BtoBサイトもこちらに当てはまるのかもしれません。このカテゴリーの訪問者数は12月2週目にはすでに大幅に減少傾向にあり、戻ってくるのは1月半ば以降の様です。

行事、ギフト」カテゴリーは前週(2014年12月22日-2014年12月28日)に大きく増加し、翌週に一気に減少しているのが特徴的です。詳細を見ると、宅配業者郵便局関連のサイトが主要なものとして挙げられそうです。クリスマスプレゼントや年末年始の贈り物、年賀状の発送・状況確認に使われ、年末年始休暇週にはひと段落、ということでしょうか。

教育とキャリア」カテゴリーは、転職やアルバイトなどの人材紹介系サービスのサイトやアプリが主要なものの様です。さすがにこのタイミングでは求人数が減少していることが想定されますし、求職者側のマインドとしても「ここは一息」といったところでしょうか。一方、1月後半に向けては訪問者数が着々と拡大しています。求職者のマインドを表す生々しいデータの様に感じます。

スマートフォンの利用のシーズナリティ

以上、2014年から2015年のデータをもとに、傾向を見てみました。

ここに提示しているデータは事実ではありますが、解釈はあくまでも推察の域を出ません。また、2015年-2016年の年末年始も同様の傾向となるかは不明です。ですが、それぞれに分類されたカテゴリーを見ると、ある程度納得感があり、利用シーンをイメージすることができます。

施策を展開する「そのタイミング」で生活者がどのような状況にあるのか、どのようなマインドにあるのか。こういったデータをもとに推察してみることも有効なことかもしれません。

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