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2014年デジタル広告界総まとめ

文●D2Cスマイル

2014年12月24日 11時00分更新

記事提供:D2Cスマイル

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 2014年もあと少しとなりました。今年、ビジネスインパクトのあったことは何だったでしょうか? おそらく、皆さんそれぞれ違うと思いますが、ネット広告で話題に挙がった物事をピックアップしてみたいと思います。

動画広告

 「動画広告」が今年の目玉だと言われておりましたが、前年の2013年からそのプラットフォームとなる動画配信サイトは盛り上がりを見せていました。Youteber(Youtubeで配信することで得られる広告収入で生計を立てる人、人気投稿者のことで、HIKAKINが有名)がテレビCMのタレントに起用されたり、動画配信自体はその枠を超えて社会に浸透したと思われます。

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 しかし、年明けの2月には、米国からドコモと提携して日本進出したHuluが日本テレビに事業売却して撤退するなど、動画コンテンツの配信ビジネスはまだまだであると思ったものです。

 一方、国内ではオールアバウトが動画広告を開始Facebookが日本でも動画広告サービスを開始グリー子会社が動画広告配信プラットフォームの日本独占販売を取得@コスメ運営のアイスタイルは動画広告事業に参入などが話題になりました。

 海外では、Youtubeの広告効果測定をニールセンとグーグルが発表し、グーグルが動画広告強化のために企業買収Facebookは動画広告ネットワークのLiveRailを買収twitterが「Promoted Video」(動画広告サービス)の提供を開始米ヤフーは動画配信広告プラットフォームBrightRollを買収などが話題になりました。

 動画広告の国内市場はサービスが投入され、海外は効果測定や機能など基盤強化が活発になってきました。

アドテク

 「アドテク」はネット広告関係者が注目する「日本の広告費(電通)」が2月に発表され、インターネット広告は伸びるも、中身は“インターネット広告媒体費のうちの運用型広告費は4,122億円、同 21.6%”というのが2013年度の推計でした。いわゆる「アドテク」の台頭が確定しました。

 「アドテク」はアド・テクノロジーですが、広告主側から媒体側用のシステムと種類が沢山あります。SSP(Supply Side Platform)、DSP(Demand Side Platform)、DMP(Data Management Platform)が主なものですが、それぞれが接続されて運用されるようになっています。壮大な世界がそこにあるのですが、ご興味のある方は株式会社セプテーニの近藤洋司さん作成のカオスマップをご参照ください。

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 ちなみに「運用型広告」はクールに「プログラマティックバイイング」と言われているようですよ。この「プログラマティック」という言葉は、米国Association of National Advertiserの“2014 Marketing Word of the Year”に選ばれています。

 この分野の課題は、システムによって最適化されて広告が配信されるわけですが、人に合せたターゲティングによって配信される場合、「媒体側にとっては、どんな広告が掲載されるのか分からない」「広告主にとっては、どんな媒体に掲載されるのか分からない」というケースも発生します。もちろん、媒体を指定することも可能ですが、それではアドテクを使って効率化する意味が無くなってしまいます。なお、アドベリフィケーション機能を使う事で配信サイトをコントロールすることができますが、リストを元に判定しているため(リアルタイムの目視確認ではありませんから)限界があります。

 あまり大きなトピックではありませんが、ネット広告を悪用する悪質な広告主を警察が業界団体に通知し、配信差し止めを行うなどの対応を要請というニュースがありました。これは、偽サイトがヤフーの検索連動広告に掲載された事件が発生したことも影響したのでしょう。

 健全なネット広告の発展を願うものとしては、行政との連携や自浄努力によって、ユーザの皆さんにお役に立てる情報の1つとしてネット広告を好意的に受け止めて頂くために、しっかり受け止めたいところですね。

ネイティブアド

 個人的には本命なのですが、「ネイティブ広告(ネイティブアド)」です。

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 これは広告なのか?と戸惑う方も多かった「ネイティブ広告」ですが、今年から台頭してきました。業界団体の一般社団法人インターネット広告推進協議会も研究会を発足させて、掲載に関する研究を始めました。

 ニフティの参入、ミクシィはスマートニュースと資本業務提携しネイティブアドネットワークに参加グノシーがネイティブ広告を開始オールアバウトがネイティブ広告を販売を開始DACがスマホのネイティブ広告のアドネットワークを発表など、国内でも急速に立ち上がってきました。

 表示や運用に課題が多く、静観しているネット広告企業や広告主も多いのですが、オウンドメディアの強化が主流となる中、バナー広告やリスティングでは捉えきれなかったユーザにアプローチできる可能性があります。スマートフォンのニュースアプリとの相性が良さそうだという部分もポイントです。

 スマートフォンのアプリと言えばゲームで、広告媒体としては有力なアプリが無かったところに彗星の様に登場し、ダウンロード数を伸ばし始めたのが「ニュースアプリ」でした。グノシーを筆頭にスマートニュースが続き、両社資本増強(グノシーにKDDIやファンドが資本参加、スマートニュースにグリーやミクシィなどが資本参加。)をしながらテレビ広告で認知を拡大し、ネイティブ広告を取り入れて収入を得ようとしています

 総務省の調査(「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」総務省情報通信政策研究所)や、MM総研の調査スマートフォンの利用が過半数となった事も、モバイル広告への後押しになりました。

 また、広告配信プラットフォーマーのCRITEOはモバイルアプリ広告に力を入れたり、海外ではtwitterもモバイルアプリ広告でサービス開始、グーグルもモバイルアプリ広告の機能強化、Facebookのモバイルアプリ向け広告ネットワーク「Audience Network」の発表、と、各社が増強と拡大へまい進しました。

 もちろん、モバイル広告自体が米国で台頭しています。イーマーケターズの予測で、モバイル広告が2016年にはPC広告を超えるという発表がありました。すでに、Facebookの業績発表では広告収入の6割をモバイル広告から得てますし、米ヤフーもモバイル広告が好調であったことが伝えられています。

マーケティングオートメーション

 2014年に入ってからですが、サイトに来訪したユーザに応じて自動的に対応しようという「マーケティング・オートメーション」が話題にあがるようになりました。その1つであるアドビ社の業績発表では、売り上げが拡大していました。日本でも各社参入が本格化し、セールスフォースIBMMarketoアクティブコアオラクルマイクロソフトなど、機能強化も盛んです。

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 以前「マーケティングオートメーションで不要となるのは、マーケター?」でエクスペリアン・ジャパンにご協力頂いて執筆しておりますので、そちらもご参考にどうぞ。

 これからが楽しみな分野だと思います。

O2O

 最後に、2013年に注目された「O2O(online to offline)」ですが、実験的な段階を超えられずにいる印象が強かったと感じます。

 ざっと振り返りますと、リクルートの沖縄での実証実験、ニフティが小売事業者向けO2OアプリのASPサービス開始、サイバーエージェントが来店者に対してターゲティング広告を配信するサービスを発表、博報堂DYインターソリューションズがO2Oサービスをリリースと、実証実験やサービスのローンチがニュースでは多かったように思います。

 以上、ざっと今年を振り返ってみましたが、来年2015年に向けた参考になれば幸いです。

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株式会社D2Cが運営するデジタルマーケティングの総合オピニオンサイト。D2C社員がそれぞれの専門分野における知見をブログ形式で発信することで、トレンドシフトのはやいデジタルマーケティングの今を集約し、マーケティングに関わるすべての方々に有益な情報をお届けします。


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