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14年上半期スマホ広告市場は1583億円、D2C/cci調査

2014年10月21日 11時00分更新

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 2014年1-6月のスマートフォン広告市場規模を推計してみましたので、中間報告としてその結果をご紹介します。今回はサイバー・コミュニケーションズ(cci)社と共同で情報収集・推計を実施しています。なお推計は精緻なものではございませんので、ご理解、ご了承の上、参考までにご覧ください。

2014年(1-6月)のスマートフォン広告市場規模は1583億円

 2014年1-6月のスマートフォン広告市場規模は、1583億円と推計されました。

 前年同期比で187%、前半期(7-12月)比でみても129%と引き続き高い成長率をキープしているとみています。なお例年1-6月よりも7-12月の方が需要が高まる傾向がありそうです。これらを加味すると、2014年通期(1-12月)では3,000億円は超えるのではないかと推測されます。

 さまざまな調査会社の市場規模予測をみると、最も大きい数字を出しているところでも2014年で2千数百億円程度となっています。差の要因として、市場定義の違いという側面もありますが、予測以上に需要が拡大しているとみることもできるのではないでしょうか。

 2-3年前、生活者へのスマートフォン普及予測データは、公表されるたびに上方修正されていました。それと同じようなことが今度は広告出稿という領域で起きているのかもしれません。

内訳は、検索連動型広告36%、アドネットワーク32%

 次に、内訳を見ていきます。

 今回は、純広告(枠売り、予約型)、アドネットワーク、検索連動型広告、成果報酬型広告、その他(ソーシャルメディア上の広告など)の5つに分類しました。成果報酬型広告にはアフィリエイト、リアルアフィリエイト、リワードが含まれます。広告タイプ別の構成は以下のように推計されました。

 検索連動型広告(36%、572億円)、アドネットワーク(GDN、YDNを含んで32%、512億円)、成果報酬型広告(19%、297億円)の順となっています。引き続きスマートフォン広告市場は、検索連動型広告、アドネットワーク、成果報酬型広告の3つが主要なポジションを占めていると捉えられます。

ソーシャルメディアの広告が急成長

 次に広告タイプ別に成長率を見てみます。

 「その他」(ソーシャルメディア上の広告など)が、規模は小さいながらも爆発的に拡大していることがわかります。次に成長率が高いのはアドネットワーク(GDN、YDNを含む)で前年同期比230%。最も成長率が低い純広告でも前年同期比で150%と、いずれのタイプにおいても成長が見られます。

 結果として、スマートフォン広告市場における広告タイプ別の構成比には変化が起きています。

 市場規模の最も大きい検索連動型広告がシェアを落とし(▲9pt)、アドネットワーク(+6pt)、その他(ソーシャルメディア上の広告など+5pt)がシェアを拡大しています。成果報酬型広告、純広告は維持-微減といったところでしょうか。

 ネット専業系の広告会社や、一部の媒体社のIR資料を見ていると、「スマートフォン向け広告の売上がパソコン向け広告の売上を上回った」という情報がちらほら出てくるようになりました。

 生活者のマルチデバイス化が進展する中で、広告主が意図的にスマートフォン向けの広告に出稿しているパターンもあれば、マルチデバイスを前提とした広告配信の最適化の結果としてスマートフォン上でクリックされた/成果が上がったパターン、その両方が含まれていると思います。いずれにせよ、スマートフォン広告の比重は更に高まっていきそうです。

 2014年通期ではスマートフォン広告市場はどこまで拡大するのでしょうか。引き続き動向をウォッチしていきたいと思います。

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