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通信キャリア3グループが狙うエドテック市場

文●D2Cスマイル

2016年03月08日 11時00分更新

記事提供:D2Cスマイル

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今年度の受験シーズンもいよいよ終盤ですね。受験生の皆さん、そのご家族の皆さん、お疲れさまです。新生活へのさまざまな思いを胸に過ごされていることと思います。

昨年の記事でもお知らせしたように、日本の教育においては、大きな改革の動きが続いていて、教育のICT化は継続して推進されています。大学受験に関しては、2020年に予定されているセンター試験の廃止大学入学希望者学力評価テスト※1(仮称)の導入が近づいてくるなど、改革の現実味がいよいよ増してきています。

※1 大学入学希望者学力評価テスト(仮称)は、俗に言えば新センター試験のこと。2015年末に文科省から問題イメージ例が初めて示されました。

教育領域における大手企業の提携・買収とそのスタンス

こうした背景もあって、昨年は教育領域における大手企業の業務提携や買収が加速しました。EDTECH MEDIAでも、その提携マップが公開されています。今年はその結果が少しずつ見えてくる年になりそうです。

01.png
出典:edTech-media: KDDI、ソフトバンク、ベネッセ、リクルート、楽天も!EdTech関連市場 大企業提携マップ

図に記載された以外にもたくさんの業界プレイヤーが存在しますが、ここでは通信事業者に絞って、各グループのスタンスを見ていきます。

auを展開するKDDIZ会・栄光グループは、2016年2月13日に共催イベント「『ICTを活用した新しい学び』~未来の大学入試改革を見据えて~」を開催し、ICTを活用した教育に関する各種講演や実機の体験会を開きました。

Z会は、2016年春、次世代型学習支援サービス「StudyLinkZをリリースする予定で、KDDIは学校のタブレット導入や環境構築などの安心・安全をキーワードとしたICT技術支援に注力する、ということがイベントから分かります。グループとして、コンテンツ担当Z会インフラ担当KDDIが連携を取り合っていく方針のようです。

ソフトバンクは、一昨年前の11月にベネッセ合弁会社Classi(クラッシー)を設立しました。その後、問題集や動画教材などのコンテンツの拡充に力を入れていることが、Classiのニュースリリース「学習支援クラウドサービス『Classi』で10,000本以上の動画コンテンツを提供開始からうかがえます。

NTTドコモは、昨年8月に株式会社ドコモgaccoを設立ドコモgaccoは、日本初の大規模公開オンライン講座(MOOC※2)サービス「gacco(ガッコ)」を提供しています。

※2 MOOCとは、Massive Open Online Coursesの略。多くの人々のための開かれたインターネット上の講座のことを指します。

ただし、gaccoでは、大学教授陣などによる本格的な講義を誰でもオンライン受講できるというサービスを提供しているため、利用者の年齢層が比較的高く、先に紹介したKDDIやソフトバンクとはターゲットが異なってきます。

02.png
gaccoサイト

NTTグループ全体としては、NTT東日本は、ICT環境整備とオンライン学習に必要な機能を搭載した「ひかりクラウドスマートスタディ」を組み合わせて、学習塾・学校向けICTトータルパッケージを展開しています。NTT西日本NTTスマートコネクトはライブ授業システム「スマートコネクト 光ラーニング」を提供しています。どちらも文教系をしっかりとカバーし、教材については、それぞれの教育事業者が用意する仕組みになっています。

いかがでしょうか。かなりざっくりまとめると、通信事業者グループごとにそれぞれ違うスタンスが見えてきます。

  • KDDIグループ:餅は餅屋型(教育はZ会、インフラはKDDI)
  • ソフトバンクグループ:共同開発型(合弁会社を作って推進)
  • NTTグループ:上記の中間型(土台を用意して多くの事業者に利用してもらう)

こうして見ると、座組みとしても各グループの特色が出ているようで面白いですね。これからどんなサービスが飛び出してくるのか興味深いです。学習者側からすると、どの型が良いということは一概に言えないと思いますので、それぞれのサービスの中身を理解して選択し、効果の上がる学習につなげられればと思います。

社会人向け、企業向け教育サービスも増加中!

社会人向けの教育サービスについても、会員数が伸びてきていたり、法人向けの教育サービスが増えてきたりと言った話が出てきて、順調に市場が拡大しているように感じられます。

先に述べたgaccoでは、法人利用者数が昨年12月に1万人を突破しました。これはMOOC講義のBtoB利用が本格的に始まったことを示しており、今後の教育機関や企業での新たな導入モデルとして注目されています。海外でもCorporate MOOCの成功事例がたくさん報告されているので、今後が楽しみな分野です。

また、IT系を中心に多くの分野の学習ができるオンライン学習サービス「Schoo WEB campus」では、昨年12月24日のニュースリリース「会員数20万人を突破したスクーが、より深く、より快適な学習体験が得られる『プレミアムプラスプラン』の提供を開始」で、登録会員数が20万人を突破したと発表がありました。

03.png
Schoo WEB campusサイト

もちろんこの他にも大企業からスタートアップまで、たくさんの社会人向け、企業向け教育サービスが登場しています。学ぶ意欲がある社会人にとっては、学習手段の選択肢が増え、学習に取り組みやすい環境がどんどん整いつつあります。

学校向けも社会人向けも、教育サービスがどんどん成長しているこの業界に注目しています!!

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株式会社D2Cが運営するデジタルマーケティングの総合オピニオンサイト。D2C社員がそれぞれの専門分野における知見をブログ形式で発信することで、トレンドシフトのはやいデジタルマーケティングの今を集約し、マーケティングに関わるすべての方々に有益な情報をお届けします。


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