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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第2回

なぜアップルはiPhone SE2を出さないのか

2018年07月03日 10時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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どんなiPhone SEが欲しい?

 iPhone SEの登場は2016年3月。その半年前に登場したiPhone 6sと同じ性能のA9プロセッサを採用しながら、ボディのデザインはiPhone 5sのものを活用し、300ドル台という低価格を実現したモデルです。

 新興国市場や、先進国でもこどもや小さなスマートフォンを好む人たち、また格安SIMとの組み合わせなど、最新型のiPhoneとは異なるニーズをつかむモデルとして、特に販売台数の拡大に効果的なモデルでした。

 販売台数の拡大は前述の通り、アップルのビジネスの重要指標となっています。加えて、今後アップルが新たな指標としてアピールしたいサービス部門の売上にも直結するため、安い端末でも、売れていくことは長期的な視点でのユーザー獲得につながります。

 そのiPhone SEは、2年経過しても刷新されませんでした。正確には、一度はストレージの容量を倍増させるアップデートを受けましたが、プロセッサやカメラなどには変更がありませんでした。

 iPhone SEは小ぶりでホームボタンを搭載するスマートフォン。もしiPhone Xのような全画面を実現すれば、サイズは小さいままで画面サイズをiPhone 8並に拡大できる可能性があり、個人的にも新モデルの登場に期待していました。

 しかしこのまま新モデルの登場がないのであれば、9月のiPhone発表の場で、iPhone 7シリーズをiPhone SE並の価格に値下げし、iPhone 8シリーズや新型のiPhone Xシリーズとともに併売する形で落ち着くのかもしれません。

 あるいは、米国の新学期シーズンに合わせて、プロセッサやバックパネルだけを変更する小幅な刷新があるのかもしれませんが、それは期待している全画面iPhone SEではないわけです。

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