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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第17回

あるいは高級ブランド戦略をどう「納得」すべきか:

アップルにとってiPhone XRが大事な理由

2018年10月23日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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 アップルはiPhone XSシリーズを9月21日に発売しました。最高価格はiPhone XS Max 512GBで、米国のApple Storeでは1499ドル、日本でもSIMフリーモデルは税込み17万円以上となります。それ以上にがっかりしたのはiPhone XSが999ドルに据え置かれたことだったのではないでしょうか。筆者もそうです。

 非常に単純な話をすると、アップルは昨年からの戦略を変える必要がないはずです。なにしろiPhone Xは成功し、ウォール街からも認められ、米国企業初となる時価総額1兆ドルを達成したわけですから。

 999ドルのiPhone Xが最も人気モデルとなり、2018年も同じ価格でiPhone XSを投入。さらに大画面モデルのiPhone XS Maxを1099ドルで追加して有機ELディスプレイラインアップを完成させ、さらにもう1機種、749ドルのiPhone XRを用意し、オールスクリーン化のラインアップを実現しました。

 2017年に引き続き、新機種は3つ。すべてをiPhone X世代へとアップグレード。一方で、自社チップはニューラルエンジンと省電力性を強化した点も同じですし、昨年はアルミ使用量の削減、今年はスズのリサイクル材料化と、少しずつ省資源、あるいはリサイクル活用を推し進めた点も同じです。

 そう思っていても、魅力的な6.5インチ有機ELディスプレイを備えるiPhone XS Maxが1099ドルから、というのは高いですよね。ただ、2018年モデルのiPhoneを見てみると、実は、ある製品と同じ展開になっていることが分かります。

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