伝説のポップデュオ「ザ・カートベッツ」をカバー!
―― 嘘といえば、山本ニューさんの代表曲である「ザ・カートベッツ」のカバーソングですが……そんなグループありませんよね?
山本 名前の由来はカート・ベッチャーなんですけど。でも嘘だと思って作ってたら、ある日、僕のレコード棚にカートベッツがあったんですよ。
―― ……というのも嘘ですよね。架空のグループが残した音源をカバーしているという体でやっているところが、斬新だと思うんですけど。
山本 たとえばデュークス・オブ・ストラトスフィア※4みたいな、嘘っぽいことをやりたかったんです。あんまりXTCに興味はないんですけど、デュークス・オブ・ストラトスフィアは大好きで。
※4デュークス・オブ・ストラスフィア : XTCの変名ユニット。「倉庫の奥で発見された60年代の幻のバンドのテープ」というコンセプトで、メンバーの音楽的バックグラウンドを開陳した。
―― なるほど。自分のバックグラウンドを丸出しにするための言い訳ですね。
山本 モンキーズとロジャー・ニコルスと、エンジェル・ペイブメントと「オー・シャンゼリゼ」のジョー・ダッサンとか、なんかその辺をつないだ曲です。いい曲ですねって言われると「ごめんなさい」という感じなんですが。
―― いい曲だと思っていたのに!
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山本 僕は音楽がどうこうより言葉が好きなんです。どっちかというと文章を書くのが好きなので。安部公房とか筒井康隆とかフィリップ・K・ディックとかカート・ヴォネガットとか、活字中毒の時代が長かったんですよ。歌詞を褒めてくれよと。音楽はどうせパクリなんだから。
―― まともにフィクション書こうという気にはなりませんでしたか?
山本 だってそんな人、たくさんいるじゃないですか。
―― ま、確かにそうですけど。
山本 あ、それとね。僕はフェイクという言葉が好きなんです。ビートルズは大キライですけど、ラトルズは大好きです。カッコいいニセモノがやりたい。それは意識的に思っているし、元ネタを当てられるとすごい嬉しいんです。
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