ビビアン・スー(Vo)、佐久間正英(G)、土屋昌巳(G)、屋敷豪太(Dr)、サポートゲストに根岸孝旨(Ba)という超豪華メンバーによる「the d.e.p」が新曲を制作している。ガンで闘病中のThe d.e.p のメンバーでベーシストのミック・カーンを支援するために、急遽始まったプロジェクトだ。
ミック・カーンは1970年代末から80年代にかけて、JAPANのベーシストとして活動していた。当時のJAPANのサウンドは、フレットレスベースの音程感を利用した、彼独特のフレージングが間違いなく支えていた。
公式サイトではPayPalを通じて治療費の寄付を募っているが※、ミック・カーンが心配しているのは、家族の今後でもあるようだ※。個人で活動するミュージシャンとして、その心理的負担は想像に余りある。
ゆえにミュージシャンの間で彼を支援しようという動きが出てきたのも当然で、その一端が今回のthe d.e.pのレコーディング。完成した音源でミュージシャン側が得る収益の全額をミック・カーンに寄付する。レコーディングの模様はUstreamで公開した。
※ 寄付を募っている : 公式サイトから「Donate」ボタンを押すだけ。PayPalアカウントがあれば、英ポンド建てで送金できる(公式サイト)
※ 家族の今後 : "Quite aside from the sheer brunt of daunting medically-related costs, Mick's clear and major concern is for the security and well being of his wife and young son."(公式サイト、6月3日の投稿より)
梅雨の湿気で蒸し返す7月7日、場所は佐久間さんのホームスタジオでもある目黒のdog house studio。この日はビビアンの歌入れで、レコーディング参加メンバー全員が集まる予定だった。我々も取材を許されていた……のだが、なかなかビビアンが到着しない。そこですかさず佐久間正英さん、屋敷豪太さんのお二人にお話を伺った。

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