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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第16回

まさかの「人間ボーカロイド」 プアミルクの奇妙な音楽論

2010年02月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ネットで先進的な音楽活動を続けるユニット・プアミルクの「うろこ雲」PVより。この切なさである。2010年になっても70年代ロックサウンドを響かせ、ボーカルを「人間ボーカロイド」と標榜する彼らはどこに向かってしまっているのか

 ニコニコ動画で活躍する音楽ユニット「プアミルク」は、いわゆる「そっと評価されるべき」人たちだ。動画の再生回数は多くても4ケタ。ニコ動の中でもメジャーとは言えない。だが、高い音楽性と「紙一重」な歌詞は確実にコアなファンをつかんでいる。彼らのような存在もまた、インターネットがなければ成立しなかったはずだ。

 彼らはニコ動のために組まれたユニットで、打ち込み系の楽器やシーケンサーは一切使わず、生演奏の多重録音で制作されている。演奏・作詞・作曲のすべてをこなす人骨さん、ボーカルのあずきさん、そして絵師のまどちんさんの3人組だ。「動画」を前提にしているので、メンバーに絵師がいるというのが面白い。

 ちなみに人骨さんは30代前半のサラリーマンで二児のパパ。あずきさんは高円寺界隈でバンド活動をするミュージシャン。絵師のまどちんさんは大阪在住で、東京在住の他の二人とはまだ会ったことがないという。それにしてもプアミルクの音楽は、ポップで高度な音楽的構成を持ちながら、その内容は危険極まりない。それは最新作「樹海のスキャット」を聴けば良く分かる。



 そんな彼らの曲はあかやかさん(関連記事)が始めた「ニコニコインディーズ※1というコミュニティに属している。一体プアミルクは何を目的に作品を公開しているのか? 今回は人骨さんとあずきさんのお二人へのインタビューをお届けしたい。

※1 ニコニコインディーズ : ニコニコ動画の作品に付けられるタグ。ボーカロイドやアニメ等のキャラ依存性のない作品に付与することで、ニコニコ動画では埋もれがちな動画の受け皿を目指している。

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