「あの大物音楽プロデューサー、佐久間正英がボーカロイドを使い始めた!」
というのが話題になっている。ガットギターやピアノのインストゥルメントを毎晩「twaud.io」※に上げていて、それだけでも十分注目に値することだったのだが、ある夜からそこに「Goodnight_to_followers」※と題した「巡音ルカ」のボカロ曲も加わり、一時はtwaud.ioのランキング上位3曲をボカロ曲が占めるということも起きた。
※ twaud.io : Twitter上で楽曲を共有するためのサービス。佐久間さんのアカウントはこちら
※ Goodnight_to_followers : 佐久間さんが最初に上げたボカロ曲。ツアー中に作った曲に、hachiというバンドのボーカリストであるハツエさんが、歌詞を付けたもの。ライブハウスの楽屋で歌詞を書いてもらい、終演後に皆で歌った曲で、それをボカロでやったものだという
GLAYのプロデューサーとして知られている佐久間さんだが、彼のキャリアは70年代を代表する日本のロックバンド、四人囃子のベーシストとしてスタートした。その後「素人のパーティーバンド」であったプラスチックスに加入、テクノポップブームを巻き起こした。
音楽プロデューサーとしての仕事は、1979年のP-MODELのファーストシングル「美術館で会った人だろ」からスタート。以降手がけた仕事は、GLAY、JUDY AND MARY、エレファントカシマシ、くるり、L'Arc~en~Ciel、THE BLUE HEARTS……と枚挙にいとまない。間違いなく80年以降のJ-POP全盛期を支えた一人と言っていいだろう。
その佐久間さんがプロデュースした一連のアーティストの中に「Dip in the Pool」という二人組のユニットがあった。実は私はこのユニットのレコーディングにギターで参加したことがあり、その縁でTwitter上でも何度かやり取りをしていたのだ。
ある日、私は自分のMacBook Proに、MacOS X上でVOCALOID2を使うべく、CrossOver Mac※を入れ、こうツイートしたのだった。
四本 「すげー、MacでVocaloid2が動いてるぞ!(当たり前か!)」
佐久間 「Macバージョン出たですか?」「あ!なるほどそういうことですね~」
四本 「佐久間さんもVocaloid使うんですか!?」
佐久間 「最初からとてもやりたかったんですけどWindowsなんで意地で避けてました」
四本 「では、試用期間30日あるので、ぜひCrossOver Macをお試し下さい。それで曲ができたら取材に行きますから!」
佐久間 「取材して欲しいからチャレンジしてみまーす!」
※ これ以降はまとめサイト「トゥギャッター」をどうぞ。
その後、程なくして、本当にボカロ曲が上がってしまった。これは約束通り取材に行くしかない! というわけでASCII.jpボカロチームは、東京・目黒にある佐久間さんのレコーディングスタジオへ向かった。ちなみに私と佐久間さんは約20年ぶりの再会だった。
※ CrossOver Mac : MacOS X上でWindowsのアプリケーションを動作させる互換レイヤーソフト。VOCALOID/VOCALOID2にも対応している
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