デザインが完成してしまったのではないか:
アップルからジョニー・アイブが退職する理由はiPad Proを見るとわかりそうだ
2019年07月03日 16時30分更新
●iPad Proが到達した、これ以上やることがない領域
そうした変化率の最も大きなiPadの最上位モデル、iPad Proを見てみると、あることに気づきます。「これ以上、なにができるんだろう?」ということです。
タブレットは元々、2010年にアップルが、iPhoneのタッチテクノロジーを用いて画面を拡大させた板型デバイスとして登場しました。当時は9.7インチの大きな画面とホームボタンという構成のガラスの前面と、アップルロゴやカメラが配置されたアルミニウムの背面というデバイスで、それは現在までも貫かれています。
しかし2018年10月に登場したiPad Proの新モデルからはホームボタンがなくなり、前面は縁まで敷き詰められたディスプレーのみとなりました。背面はひきつづきアルミニウムですが、これまでのiPadのような曲面はなくなり、まっすぐな平面になりました。
ここまでくると「タブレット」としての存在に「次」が果たしてあるのか、と考えさせられます。
確かに、Liquid Retinaディスプレイは縁まで敷き詰めているといっても、まだまだ1cm程度の余地があります。もっともこれはTrueDepthカメラがある上端(キーボードをつけていると左端)とのバランスを取るために、これ以上縁を攻めないかもしれません。
また、iPad Proシリーズは厚さ5.9mmまで薄さを追求していますが、さらにデバイスを薄くすることもできるかもしれません。しかし薄さを追求すること自体は、デザインの要素の変化と捉えることはできません。
これが、iPad Proを見て、物の形として、これ以上シンプルなものはないところまで、来てしまった、と思いたくなる理由です。

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ











