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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第11回

デリカD:5の「あの顔」も!

令和時代の「いい軽」には自動運転も! 三菱「eKクロス」を徹底チェック

文●栗原祥光 撮影●栗原祥光

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ハイブリッドのレスポンスの良さと
軽自動車ならではの回頭性

 さて、試乗することにしよう。三菱と日産のいいとこどりした車が悪いハズなく、多分イイということは試乗する前から薄々感じていた。逆に言えば期待値はかなり高くハードルは相当に高かった。その期待はよい意味で裏切られた。そして「軽自動車でしょ?」という人にこそ一度触れてほしいと思えるほどのできばえなのだ。

eKクロスの2輪駆動ノンターボモデル(Gグレード:155万5200円)

 まずはノンターボの2駆モデルから試乗した。「自然吸気の軽自動車なんて進まんでしょ」と思いきや大間違い! 52ps/6.2kgm(エンジン分)+2.1ps/4.1kgm(モーター分)は普段の街乗りにおいて不足を感じることはほとんどない。ハイブリッドを意識することもなく、レスポンスの良さも相まって、ダウンサイジングターボ全盛の現在において久しく忘れていた自然吸気エンジンの楽しさを存分に味わせてくれる。この楽しさに輪をかけるのが、可変速CVTの挙動だ。低速回転では普通のCVTと同じ挙動なのだが、アクセルを踏み込むとタコメーターは一気にレブリミットまで駆け上がり、そこから一度回転数が落ちて再度駆け上がっていく。車が良い意味で「ブン回してどこか行こうぜ」と語るかのように思え、もっとアクティブなドライブをしたくなる。

 それに拍車をかけるのはキビキビとした足回り。無理やり「剛の三菱、柔の日産」と定義するならば、その中間といった乗り味といえるだろうか。ボディー剛性は高いようでスピードバンプや段差で揺り戻しは少なく、サスペンションがしっかり吸収しているのがわかるし、コーナーではゆったりと姿勢変化をする。速度が上がるとしっかりとした手ごたえを感じるステアリングと相まって、スポーツドライビングではないけれど、街乗りの交差点一つで「車を運転するのって楽しい」と思える絶妙な味付けだ。

 感心するのは車内の静穏性。まずロードノイズはほとんど聞こえず、エンジンの音が適度に聞こえてくる。それでいて、秀逸なアイドリングストップ機構により、エンジン始動時のガクンというあの振動をあまり感じることはない。不満を感じない、というとマイナスイメージにとられるかもしれないが、本当に不満がない。車内の広さ、使い勝手と合わせて約150万円から手に入るというのは驚きでしかない。

eKクロスの4輪駆動ターボモデル(Tグレード:176万5800円)

 より遠出したい、という方には上級グレードにあたるeKクロスのターボ、四駆モデルがオススメだ。外観から2駆ノンターボと区別することはできないが、ターボゆえ街乗りでもパワフルさを感じ取れる。それゆえエンジンを回す必要がないため車内はより静かだ。乗り味は基本的に二駆モデルと大きく変わらないものの、ハンドリングの軽快さは減じつつも安定度は大きく増すように思えた。これは座り心地のよいシートと相まって長距離運転していて相当な強みになるだろう

MI-PILOTを利用した高速道路運転の様子

軽で高速道路は疲れる。それは過去の話

 ターボパワーと四駆のスタビリティは高速道路で威力を発揮する。合流での加速に不満はなく、さらに直進安定性がすこぶる高い。軽自動車の高速道路巡行は疲れるといったイメージはもう過去のものだ。さらに自動運転レベル2のMI-PILOTを利用すると、快適さが大幅にアップする。

 このMI-PILOTは巡行だけでなく渋滞でも利用できるのが大きな強みで、以前同様のシステムであるプロパイロットを夏休みの東名高速道路下り線で利用するという記事を作成したが(渋滞でも疲れない日産新型リーフの最新自動化技術を実体験)、御殿場ICから大和トンネルの先までの渋滞でブレーキを踏んだのは、わずか2回! いずれも強引な割り込みをされた時だけだった。

 使い始めた時は、その介入ぶりに「本当に大丈夫なのか?」と不安になるし、雨天では利用できないなどの制約はあるものの、むしろ利用した方が安全運転になる気がする。eKクロスを購入される方は、ぜひMI-PILOTの導入をオススメしたい。

eKワゴン

 最後に同時期に発売となったeKワゴンについて触れておきたい。eKワゴンは前述のとおりeKクロスのベーシックモデルで、エンジンは自然吸気/ノンハイブリッドのみ。外観上の違いや内装の違いが目立つが、基本的な収納はeKクロスと同等だ。二駆と四駆のほか、上位グレードではオプションとしてMI-PILOTが用意される。価格は129万6000円〜。

 eKクロスに比べて「より街乗り」という印象を受けた。それはハイブリッドのパワーユニットを搭載していないからではなく、よりソフトな乗り味がそう感じさせるのだ。これはホイールがeKクロスに比べて1インチダウンしていることも、ソフトな乗り心地を引き出しているのだろう。また、eKクロスよりもナチュラルなアクセルフィールは、車を操る楽しさを誘発する。それは街乗りでこそ生きてくる。ありていに言えば、通勤や買い物などといった用途にピッタリだ。

 これは遠出をするなどアクティブに車を楽しむeKクロスとの明確なキャラクターの違いを感じさせるとともに、eKワゴンがラインアップされている理由も理解できた。旧eKワゴンからの乗り換えを検討される方は、きっと正常進化した魅力的なモデルに映るだろう。

【まとめ】日本の道路事情とライフスタイルにマッチしたのが
軽自動車であり、「eKクロス」である

 軽自動車というとセカンドカー的に扱いで選ばれることが多かった。しかし、気づけばBセグメントのコンパクトカーよりも装備が充実し高額なモデルも多い。それは現在ではファーストカーとして軽自動車が選ばれる時代となり、より遠くへ、より様々に、よりアクティブな使い方が求められる時代へと変わったからだ。

 三菱のeKクロスはそのような令和時代の軽自動車に求められるすべてをかなえる1台であり、今後の軽自動車の指標となるものだろう。日本の道路事情とライフスタイルにピッタリの軽自動車はここまでの高みに到達した、そのような印象を受けた。

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