Orcs Must Die!
最後に剣と魔法のファンタジー世界を舞台にしたディフェンスアクションゲーム「Orcs Must Die!」で速度をテストしよう。解像度は1920×1080ドットで、MSAA「なし」に設定。同じシーンでのフレームレートを「Fraps」で計測している。
MSAAなしの軽い条件ということもあり、フレームレートはいずれも200を超える数値になっている。ライバル対決はRadeon HD 7970のほうに軍配が上がったが、その差は約3%と僅差だ。
消費電力・GPU温度・排気温度
NVIDIA製GPUでいちばん気になるのが消費電力や温度だ。今回は製造プロセスルールの微細化やTDP低下が、どれほどの効果なのか期待がかかるところである。
消費電力は「watts Up? Pro」を使い、アイドル時および「Orcs Must Die!」「Call of Duty: Modern Warfare 3」「BattleField3」テスト時の消費電力を測定。また、GPU温度は「GPU-Z」によるGPU温度最高値、排気温度はサーミスタ式温度計を排気口に貼り付けて計測した。
最初に目に付くのがアイドル時の消費電力の低さだ。Radeon HD 7970よりも低く、GeForce GTX 580から大幅な改良が施されたことがうかがえる。ピーク時もGeForce GTX 580から40~50Wほど下がっていて、これまでの「爆熱」というイメージをよい意味で裏切った格好だ。Radeon HD 7970との比較だと、タイトルにより違いはあるがやや低い傾向にあり、消費電力面でも優位に立ったと言える。
GPU温度と排気温度は搭載するクーラーの性能とファンコントロールの設定によるところが大きい。高負荷時はどのビデオカードもGPU温度約80℃、排気温度約60℃という結果のため、いずれもGPU温度が80℃を超えないように設計されていると推測される。
これに対し、アイドル時はGeForce GTX 680のみGPU温度が35℃とダントツで低い。ヘビーゲーマーでもPC利用時の大半はアイドル状態ということを考えると、ありがたい省電力性能と言えるだろう。
最大の弱点を克服し
魅力あるGPUへと進化
ベンチの結果を見ると、GeForce GTX 580から劇的なパフォーマンス進化を遂げたインパクトのあるGPUだ。NVIDIAハイエンドGPU最大の難点であった消費電力も大幅に下がり、発熱に辟易していたユーザーにもオススメできる仕上がりになっている。
こうなってくると気になるのは価格だろう。パーツショップでの店頭価格は6万5000円前後が予想されている。ライバルのRadeon HD 7970は5万~5万5000円で購入できるので、その差は1万円強といったところ。人気タイトルのパフォーマンス差を見ると、価格差ぶんの価値は十分にあると言えるだろう。NVIDIAファンとっては、ひさびさの心躍る新製品になりそうだ。
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