今年も残すところ3ヵ月になったが、AMDの最新APUの「Trinity」や「Windows 8」の発売と話題に事欠かない自作PCパーツ。SSDの大暴落に、災害前の水準に戻った容量3TBのHDDなど、お財布の口がついつい緩んでしまう話題も多いが、PCゲーマーが気になるのは、やっぱりビデオカードだ。
拡張パックが増え、より面白くなっている「Battlefield 3」を始め、「Battlefield 3」と同じ3Dエンジンを採用する11月1日(日本語版)発売予定のミリタリーFPSゲーム「Medal of Honor: Warfighter」や、来年登場だが激重になる気配が濃厚な「Crysis3」など、注目の重量級ゲームが目白押しだ。
やっと登場した2万円半ば~3万円前半となるアッパーミドル/ミドルクラスの「GeForce GTX 660Ti/660」(以下、GTX 660Ti/GTX 660)搭載ビデオカードが注目を集めているが、一部モデルが大きく値下がりしている「GeForce GTX 680」(以下、GTX 680)も、かなりお買い得感が高くなってきている。
そんなGTX 680のオーバークロックモデルを自腹で購入。より快適なゲーミング環境&コスパの向上を目指して、GTX 680の限界オーバークロックに挑戦してみた。
「N680GTX Lightning」を購入して限界に挑戦
リファレンス仕様なら、4万円を割り込む製品もチラホラ見かける「GeForce GTX 680」搭載のビデオカードだが、購入したのはオーバークロック(以下、OC)&オリジナルGPUクーラー仕様のMSI「N680GTX Lightning」だ。
5万円台半ばと、オリジナル基板やGPUクーラーを採用する同じOCモデルのなかでも、割高といえる製品になるが、価格は8月上旬あたりから徐々に下落。発売から約2ヵ月後の9月中旬には、初登場時の7万円前後から1万円以上も値下がりした5万円半ばに通販、店頭ともに突入しているお買い得感の高い製品なのだ。
もちろん、MSI製最上位ビデオカードとなる“Lightning“シリーズに属する製品だけあってそのスペックは高く、12フェーズの電源回路や電力供給を強化し、OC時の安定性を高める追加基板の「GPU Reactor」、高い冷却性能に定評あるMSI独自のVGAクーラー「Twin Frozr IV」、より高い電圧をGPUコアにかけられる「LN2 モード」の搭載など、魅力的な機能を満載。とくに、GPUコア電圧の変更機能は、限界までGPUコアをOCしたいユーザーには非常に魅力的なところだ。
N680GTX Lightningの各種動作クロックは、GPUコアクロック1110MHz、ブーストクロック1176MHz、メモリークロック6008MHz相当(実クロック1502MHz)になる。GTX 680のリファレンスクロックと比べると、GPUコアクロックが約10%、ブーストクロックが約11%アップされており、メモリークロックは、リファレンスそのままという設定になっている。
ビデオカードのスペック | ||
---|---|---|
N680GTX Lightning | リファレンスモデル | |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 680 | NVIDIA GeForce GTX 680 |
ストリーミングプロセッサー数 | 1536基 | 1536基 |
コアクロック | 1110MHz | 1006MHz |
ブーストクロック | 1176MHz | 1058MHz |
メモリー転送レート(相当) | 6008MHz | 6008MHz |
ビデオメモリー | GDDR5 2GB | GDDR5 2GB |
メモリーバス幅 | 256bit | 256bit |
バスインターフェース | PCIーExpress3.0 | PCIーExpress3.0 |
補助電源 | 8ピン×2 | 6ピン×2 |
消費電力 | 非公開 | 195W |
ちなみに、PCパーツショップに並んでいるGTX 680のオーバークロックモデルでは、3スロットを占有する巨大VGAクーラーを搭載するGIGABYTE「GV-N680SO-2GD」(実売価格 6万8000円前後)が、コアクロック1137MHz、ブーストクロック1202MHz、メモリークロック6200MHz相当(実クロック1550MHz)の最速クラスの設定を採用している。
