NVIDIAが今年3月に同社初の28nm世代&DX11.1対応GPU「GeForce GTX 680」(以下GTX680)を発表したことで、ハイエンドGPUの性能戦争は一気にAMDからNVIDIA優勢に傾いた。AMD/NVIDIAともにワットパフォーマンス重視の設計となったが、GTX680のワットパフォーマンスはシングル最速GPUなのにTDPを195Wにまで抑え、描画性能でもライバル「Radeon HD 7970」に圧倒的な差をつけたことは記憶に新しい。
にわかに活気づいてきたGeForce陣営
だが日本時間4月29日、NVIDIAはさらにAMDを突き放しにかかるフラッグシップモデル「GeForce GTX 690」(以下GTX690)を発表した。型番からも推測できるように、1枚の基板上にGTX680をデュアルで搭載した、超ハイエンドGPUである。
発表に先立ってバールだけメディアに送付したり、テスト機を「WEAPONS GRADE GAMING POWER」と焼印された木箱に入れて届けたりと、もう余裕ありまくりなオーラを出しまくっているこのGTX690を、早速テストしてみたい(でもGW中に現物送付、記事解禁まで正味2日しかないってのはマジでキツいっすよNVIDIAさん!)。
まずは外見をチェック
厚みは従来と同じ2スロット、基板長は約28cmと、従来のハイエンドGPU搭載カードと大きさに変更はないが、外見の精悍さはこれまでにないクオリティーだ。ほぼアルミ製パーツで覆われたデザインはジェットエンジンのように精悍で、これまでのような“プラスチックの塊”感は微塵もない。
GTX690では金属パーツの使い分けにこだわっているようで、外装部分はクロームメッキを施したアルミ、そしてファンのハウジングには射出成型したマグネシウム製パーツが使われている。後者は制振性を期待しての起用のようだ。また、ファンが従来のブロワーファンから普通の9cmファン1基へ変更されている点も注目に値する。2個分のGTX680の熱を、ファン1基でカバーすることが可能なのだろうか?
そして気になる補助電源はデュアルGPU搭載だけあって8ピン×2の構成。そしてディスプレー出力はDualLink DVI-I×3にMiniDisplayPort×1という構成。すべてのデジタル出力を同時に利用可能だ。

この連載の記事
-
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 -
第428回
自作PC
ベンチで知る“第14世代”、Core i9-14900K/Core i7-14700K/Core i5-14600Kは何が変わった? -
第427回
デジタル
A620&RX 7600と+1ランク上の構成では、どちらが良いか検証してみた -
第426回
デジタル
1スロット&低消費電力で運用可能な「Radeon PRO W7500/ W7600」を試す -
第425回
デジタル
最大転送速度2000MB/s! 約1.8倍速くなったSamsungの外付けSSD -
第424回
デジタル
AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【後編】 -
第423回
デジタル
AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【前編】 -
第422回
自作PC
VRAM次第でゲーム性能は変わる?GeForce RTX 4060 Ti 8GB版vs16GB版で対決 -
第421回
自作PC
1TBモデルで1万円切りのWD Blue SN580 NVMe SSDが高コスパかどうかを実際に試した - この連載の一覧へ