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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第152回

プロセス変更で大きく変わるIntel 8シリーズチップセット

2012年05月21日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 今回は10ヵ月ぶりとなるインテルチップセットのロードマップアップデートをお届けする。前回掲載した連載112回からだいぶ時間が経ち、すでに「Intel 7シリーズ」もリリースされている。詳細などもご存知であろうとは思うが、復習をかねてまずはここから説明しよう。

Intel 7シリーズが4月に登場
ビジネス向けは6月に?

2011~2012年のインテルチップセットロードマップ

 2012年4月8日に、Intel 7シリーズチップセットが発表された。当日深夜には搭載マザーボードの発売も解禁され、秋葉原では深夜販売も行なわれた(関連記事)。8日に発表されたのは、コンシューマ向けの「Intel Z77 Express」(以下Expressは略)「Intel Z75」「Intel H77」の3製品と、ビジネス向けに「Intel B75」の合計4製品である。これに加えて、後追いで「Intel Q77」「Intel Q75」も追加されて、合計6製品が現時点ではラインナップ、または予定されている。

Intel Z77のプラットフォーム構成図

 Intel 7シリーズの製品構成上の大きな特徴は、グラフィック出力を持たない「P」シリーズがついに廃されたことだ。かつてはGPUコアがチップセット側に入っていたから、GPUコアを統合する/しないでチップセットの差別化に意味はあったが、Core iシリーズからは原則として全製品にGPUコアが統合されており、そうなるとGPUの出力を持たないことにあまり意味はない。

 最初にこれの先鞭をつけたのが2011年5月発表の「Intel Z68」で、これに習う形でZ77がハイエンドのポジションとなった。これからPCI Expressの構成に一部制限を加えたり、「Intel SRT」(Smart Response Technology)のサポートを削ったやや低価格のゲームユーザー向けがZ75、SLI/CrossFireなどのデュアルグラフィックスサポートを完全に省いたメインストリーム向けがH77、というポジションとなっている。ちなみにH77ではオーバークロック動作の設定する「Intel Performance Tuning」も省かれており、CPUはあくまで定格動作のみサポートとなっている。

 一方ビジネス向けは、Q77がトップエンドである。こちらはほぼH77と同じ仕様であるが、異なる点としてはPCIを利用可能にしていることと、Intel AMT(Active Management Technology)、Intel Standard Manageability、Intel vPro、Intel SIPP(Stable Image Platform Program)など、ビジネス向けの各種プラットフォーム管理機能や長期ドライバー保障などをすべて対応したモデルになっている。Q75はここからIntel RSTやIntel AMT、Intel vProといった機能を省いた廉価版であり、SATA 6Gbpsも1ポートのみに制限されている。B75はQ75をさらに廉価にしたモデルで、USBも12ポートまでに制限されている。

 なお、現時点ではQ77/Q75はまだ未発表である。これらはIvy Bridgeの第2弾が出荷される2012年6月のタイミングでリリース、という公算が高い。現時点のIvy Bridgeはもっぱら個人ユーザー向けとして販売されており、ビジネス向けPCはまだSandy Bridgeベースのものがほとんどである。これらが更新されるのが6月になるので、それにあわせて、ということなのだろうと想像される。

 出荷が間違いなさそうだというのは、例えばインテルのソフトウェア製品ページに、すでにQ77の文字が躍っていたりするからだ。ほかにもB75のページにQ75の名前があったりする。

 連載112回のロードマップには記載していたが、製品化されずに消えそうなのが「Intel H71」だ。これは「Intel H61」の後継製品なのだが、機能的にほとんどH61と変わらないので、わざわざ新製品に更新する意味がないということらしい。このグレードだとUSB 3.0のサポートもあまり必要ないらしく(あっても困らないが、なくても構わないの意)、そうであれば今のH61のままでいいということになるようだ。

 どのみち、このクラスになるとCPUはPentiumないしCeleronがターゲットとなるが、Pentium/CeleronがIvy Bridgeに切り替わるのは2012年末~2013年にかけてと想定されており、その頃になると次のIntel 8シリーズの準備も必要になるから、無駄に仕事を増やす必要もないということだろう。このあたりはSandy BridgeとIvy Bridgeがピン/信号互換だからできる技でもある。もちろんH61ベースということは、仮にIvy BridgeベースのCPUを搭載してもPCI Express 3.0への対応は不可能となるが、実害はないと思われる。

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