オリンパスから、ミラーレス一眼カメラの新モデル「OLYMPUS OM-D E-M5」が発表された。3月下旬発売予定で、ボディーのみの予想実売価格は10万5000円前後だ。
「OM」という名称は、同社が1972年から販売を開始した「OM-1」(発売当初はM-1だったが、73年にOM-1に変更)以降のシリーズ名称から来ており、本機はそのデジタルカメラ市場における「復活」モデルである。
幅121×奥行き41.9×高さ89.6mm、約373gという本体サイズ、重量は、OMの特色であった“小型・軽量”という部分を引き継いでいるが、ボディーはマグネシウム合金を採用するなど高い剛性を実現。加えて防塵・防滴構造を採用しており、雨天やホコリの多い環境下でも撮影が可能だ。
同社の「OLYMPUS PEN」シリーズ(E-P3など)と同じく、マイクロフォーサーズ規格を採用しているが、撮像素子は1605万画素のLive MOSセンサーを採用。E-P3のLive MOSセンサー(1310万画素)よりも高解像度になっている。
画像処理エンジンはE-P3と同じ「TruePic VI」を採用。ただし感度設定はE-P3がISO 12800までだったのに対して、E-M5はISO 25600まで設定可能。
また、E-P3で採用された高速AF(FAST AF)も進化。Live MOSセンサーの読み出し速度を240fps(E-P3の2倍)に高めることで、コンティニュアスAFでは秒間4.2コマの連写でもAFが追従する。なお、最大連写速度は秒間9コマだ。
背面には3型(61万画素)の有機ELディスプレーを採用。バリアングルタイプでタッチパネルにもなっている。加えて、144万画素という高解像度の液晶パネルを採用した電子ビューファインダー(EVF)も搭載する。
またEVFをのぞいたまま露出やホワイトバランス、特殊効果(アートフィルター)の調整が行なえる「EVFクリエイティブコントロール」を搭載。本体上部のファンクションボタン(Fn2)を押しながらメインダイヤルやサブダイヤルを回すことで、画像の調整が行なえる。
ボディー内手ブレ補正機能も、従来は2軸(水平・垂直方向の回転)の対応だったが、E-M5ではそれに加えて3軸(水平・垂直方向の移動、本体の左右回転)に対応。計5軸の動きに対する手ブレを補正できるようになった。
加えて、従来は動画撮影時は電子式手ブレ補正機能のみが利用できたが、E-M5では動画撮影時もボディー内手ブレ補正を利用できるようになっており、さらにEVF使用時には、シャッターボタン半押しで手ブレ補正が有効となり、ファインダー内の映像も安定する。
アートフィルターには、新たに「リーニュクレール」というモードが追加された。これは「ポスタリゼーション」を基調にエッジを強調するもので、写真をイラストや版画のような絵にする機能だ。
さらに、「クロスプロセス」と「ドラマチックトーン」については、イメージの異なる2つバリエーションから選べるようになった。また、動画についても、被写体に残像効果を付与する「エコー効果」が利用可能となっている。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」という新型の標準ズームレンズが付属する「レンズキット」(予想実売価格13万円前後)も同時に発売する。付属レンズも本体同様に防塵・防滴仕様になっている。
本機の発売に伴い、防塵・防滴仕様のアクセサリーも登場。さらに防塵・防滴レンズとしては、「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」という単焦点マクロレンズの開発表明も行なわれた。