前回紹介したように、ミラーレス一眼カメラは各メーカーからいくつもの機種が発売されている。さまざまな目的を持つ幅広いユーザーに最適な一台を選んでもらうため、ラインナップを拡充しているのだ。
逆に、ラインアップの中の最上位機からエントリーまでが似たようなスペックで、使う機能も共通で全部に搭載されていたら、正直価格で選んでも問題はないということになる。問題はデジカメの根本的な部分、画質の差はどうだろうか?
使う機能は同じだからといって、一番安い機種を選んでもいいのか? ほんとにフラッグシップモデルとエントリーモデルでは写り具合に差は出ないのか……特集2回目は同一メーカーのラインアップの画質をチェックしてみた。
すべてのデータで共通しているのは、光源には撮影用の蛍光灯を使用してオートホワイトバランスに設定。カメラは基本的に出荷時の状態をベースにして、絞り優先オートにしてISO感度を変えて撮影している。
また感度拡張機能のオン/オフがある場合には「オン」にしている。ノイズリダクションの設定やRAWから生成するとまた違った結果が生まれる可能性はあるが、メーカー標準状態での差が出るようにした。
なお、キヤノンとペンタックスのミラーレス一眼はそれぞれ1機種のみなので、今回は登場しない(次回は登場する)。
ソニー「NEX」シリーズは上下のモデルで大きな画質差はない!?
まずソニーは「NEX-7」「NEX-5R」「NEX-3N」の3機種を比較した。画素数はNEX-7が有効約2430万画素、NEX-5Rが約1610万画素、NEX-3Nが有効約1610万画素となる。
5Rと3Nは有効画素数が同じだが、総画素数は5Rが1670万画素で3Nが1650万画素と異なる。また、5Rは撮像素子面に位相差検出用のAFセンサーが埋め込まれた「ファストハイブリッドAF」採用なので、センサー自体は別物だろう。
レンズはNEX-7のレンズキットに付属する標準ズームレンズ「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」をすべてに使用した。
感度別撮影サンプル――NEX-7
感度別撮影サンプル――NEX-5R
感度別撮影サンプル――NEX-3N
感度設定が一番低いデータではNEX-5Rが若干コントラストが高めでメリハリがある。
コントラストが高いがハイライトやシャドーの階調が狭いわけではない。白飛びや黒ツブレの度合いはすべての機種で大きな差はないので、階調幅としては問題なく、階調にかたよりにない被写体ならメリハリのある画像になる。
ハイキーやローキーの写真だと部分的にトーンジャンプが起きるかもしれないが、ハイライト部分やシャドー部分のギリギリの描写を気にするようなシーンはそうそうないだろう。
感度を上げた状態でも傾向は同じだが、ノイズの出方には若干差があり、NEX-3Rが一番ディテールの再現性が高く、次点にNEX-5Rだ。といっても微々たる差なので気にするほどではないレベルといっておこう。
なお、最高感度はNEX-5RがISO 25600までで、ほかの2機はISO 16000までと半段分強の差がある。
若干気になったのはNEX-7のオートホワイトバランスの結果だ。昼間や屋外では色かぶりは気にならないが、室内や暗いシーンでは環境光のイメージを残す設定のようになっているようだ。
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