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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第326回

秋空の下でじゃれ合う多摩の猫たち

2013年10月18日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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のそのそと歩いてきた猫を這いつくばって待ち構えて撮ってみた。草が深い分、迫力があっていい感じに(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

のそのそと歩いてきた猫を這いつくばって待ち構えて撮ってみた。草が深い分、迫力があっていい感じに(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

 東京都多摩地区のとある公園を散歩してたら、首からカメラをぶら下げて猫と遊んでいるカメラマンと出会ったのである。おお、ここには猫がいたのか、と、早速声をかけて一緒にネコを撮らせてもらう。

 そこの敷地全体には数10匹の猫がいるそうで、猫好きにはかなり楽園。

 午後遅くなってくると、猫好きの常連さんがカメラを持ったりして三々五々集まってきて、猫たちもどことなく顔を出し、遊びはじめる。

 そのうちの何匹かはとても人に慣れていて、彼がこんな風に持ち上げて見せてくれた。

 よく見ると両足を合わせるとハート型! おお。これはなかなか。

お腹の白い線がカッコいいといったら持ち上げて見せてくれた。そしたら、両足を合わせるとハートっぽくなることを発見。まあ、猫はいやがっておりますが(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

お腹の白い線がカッコいいといったら持ち上げて見せてくれた。そしたら、両足を合わせるとハートっぽくなることを発見。まあ、猫はいやがっておりますが(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

 ここはけっこう雑草が生い茂って、這いつくばって猫目線で撮ると迫力がでいい感じなのだ(冒頭写真)。

這いつくばって黒猫撮影。草が生い茂ってるので手前にもボケを作れて迫力が出る。目元が草で隠れないよう、角度を変えつつ狙ってみた。黄色い目がキラリと光っててなかなか精かん(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

這いつくばって黒猫撮影。草が生い茂ってるので手前にもボケを作れて迫力が出る。目元が草で隠れないよう、角度を変えつつ狙ってみた。黄色い目がキラリと光っててなかなか精かん(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

 で、その場所は多摩地区のどこか。

 そのカメラマンA氏は(匿名にしたいんじゃなくて、私が名前を聞きそびれただけですが)「写真を載せるときは、多摩地区というくらいにとどめて詳しい場所は書かないでほしい」という。

 実は私もこの連載をはじめて数年になるけれども、最近、猫を撮った場所をあまり具体的に書かないよう気をつけてる。

 江の島とか谷中とか、猫が多い場所として周知されてるスポットは別として、せいぜい区市町村、あるいは地区名くらいにとどめるよう注意する感じ。

 理由はいくつかあるけど、代表的なのは2つ。

 1つは、猫がさらわれる事件が起きやすくなりかねないから。目立ったニュースにはならないし、理由は不明だが(いくつか推測はされてるけど)、たとえば江ノ島などで猫が急に何匹も連れ去られる事件が起きている。

 2つ目は、そこに地域猫がいると知られることで、猫を捨てにくる人が現われ兼ねないから。ここなら捨てても誰かが世話をしてくれて生き延びられるだろうと思ってしまうのだろう。

 地域猫を管理するボランティアの人たちがそこにいる猫を去勢してそれ以上増えないようにしても、新たな猫が捨てられたら元の木阿弥である。

 猫をよく見かけるとある場所に、先日「猫の写真を撮影する方々へ」という看板が立った。そこには、

「●●で猫の写真撮影をして、インターネット、雑誌等に掲載すると、●●は極楽?と思われ、●●内に猫を捨てたり、猫が虐待されたり、不幸な猫が増えて迷惑しています。●●内の猫をこれ以上不幸にしないため、撮影を自重して下さい」

 と書いてある。場所を特定できないよう、一部伏せ字。撮影は自重しなくていいけど、場所を特定できるような公開はしないでね、って読み替えるとよいかと。

 今回話をしたカメラマンも、猫写真をネットに載せるときは、具体的な場所は伏せるのみならず、背景で場所が特定できないような撮り方をする(たとえば地名がはいった看板などは入れない)、位置情報は消すなどの注意をしてほしいという。

 どのくらい注意すべきか、どのくらいまでは公開していいかは難しい問題で、そこまで気をつけなくてもいいじゃんという人もいるし、強制する気もないけど、私は基本的に猫の味方なので、できるだけ気をつけたいな、撮影場所を書くときも大雑把な記述にとどめたいなと思っております。

 でもときどきやらかしちゃうので、もし注意が足りなかったらすみません。

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