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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第17回

ニコニコ動画に住む「家族」 スズナリさん家の歌作り

2010年02月27日 12時00分更新

文● 四本淑三

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「人間」だと派生動画が生まれにくい

―― 今までカバーばかりやってきたのはなぜですか?

おん 僕は音の質感を操作するのが好きなのと、ヒップホップには原曲とそれに対するリミックスが必ずあるんですよね。そういう感覚でカバーもやっています。ニコニコ動画に素敵な曲が沢山あったので。

―― これは僕の勝手な妄想なんですが、一般的にはまだボーカロイドに対するアレルギーが強い。でも人間の声だったら、普通の音楽として聴ける。そこを橋渡しする目的でのカバーかなと思っていたのですが。

おん いいえ、そんなカッコイイことは考えていないですよ。

ちりん 歌いたい歌を歌ってるだけですね。

―― では逆に、最近公開された「ボーイ アダムスキー」はなぜボーカロイドなんでしょう? 初のオリジナルなのに、ちりんさんでないのが不思議でした。

おん ニコ動の面白いところは派生動画だと思っているんです。あの曲にも早速「歌ってみました」を上げてくれた人がいて、すごく嬉しかったんですけど、人が歌ってしまうと、カバーのような派生動画が生まれにくいんですね。

 

―― 確かに言われてみればそうですね。それはなぜなんでしょう?

おん ボーカロイドの歌で完成、というコンセプトの作品もありますけど、もともと人間の代用品として使われていたからかも知れませんね。

―― 合成音の不完全さを「補いたい」という動機が「歌ってみた」につながると。

おん だから円盤Pの曲には、スズナリとしての名前は使っていないし、宣伝もしないし、タグも付けないでやったんです。あれはあれで切り離したかったから。

―― でも、あの曲はスズナリテイストの集大成にもなってますよね?

おん そうそう。そうなっちゃってますよね。あれが結局、一番好きな感じなんです。

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