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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第77回

2020年のクルマでベストバイを挙げるとしたら日産「キックス」しかない!

2021年01月16日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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【ベストバイの理由 その4】
使い勝手のよい室内空間

 室内の広さや快適性もベストバイの1台を選ぶ上で、最も重要なポイントといえます。BセグメントSUVである本機は、運転席は言うに及ばず後席の広さも気になるところ。というのもBセグメント車の多くは後席が狭い場合が多いのです。そこで運転席より先に後席をチェックしてみましょう。

後席ドアは約90度開く

 まず乗り込む上で重要なのは、ドアの開口部でしょう。軽自動車でスライドドアが望まれる理由の一つが、後席にチャイルドシートを取り付け、子供を乗せる時に作業がしやすいからです。キックスのドアはスライドドアではありませんが、90度まで開くので作業はしやすいでしょう。また、ご年配の方の乗降性がよいのも言うまでもありません。さらに、ドアがしっかりしているほか、窓をすべて開けることができます。窓が途中で止まるクルマが多い中で、全部開くのはイイですね!

キックスの室内

 キックスの後席は3人乗ることができます。中央部の足元が狭くなるのは仕方ないところで、大人はツライですが、子供なら乗ることができるでしょう。実際に身長185㎝の筆者が後席に座ってみました。

身長185㎝の巨漢である筆者が座ったところ

 ドライバー側シートを一般的なポジションにしても、足元に余裕があります。ヘッドルームも十分に確保されているので、不満はありません。長時間の乗車でも苦痛に感じることは少ないでしょう。

後席ドアにもドリンクホルダーを用意

USB充電ポートを1系統備えられている

後席背面にはチャイルドシートのアンカーも用意されていた

 ドア側にドリンクホルダーを備えているほか、室内にはUSB充電ポートも1系統用意されています。これだけあれば、長時間のドライブでも快適に過ごすことができるでしょう。もちろんチャイルドシートを搭載するためのアンカーもリアシートに設けられています。

 では運転席側をチェックしましょう。

フロントドアを開けたところ

キックスのドライバーシート

 こちらも90度近くまでドアが開きますから、乗降性は良好。不満はありません。サイドシルも低めで、跨ぐ量も少ないです。シート調整は手動式。ここは価格を考えると仕方ないところでしょう。ハンドルはチルトとテレスコの両方調整可能です。では筆者が座ってみました。

身長185cmの巨漢筆者が運転席に座った様子

 シートを一番下げた状態になりますが、天井に余裕があります。シートそのものの狭さもありません。さらにこのシートのよい点はヘッドレストの調整ができること。

高さ調整ができるヘッドレスト

 近年、ヘッドレスト一体型のセミバケットタイプのシートが多い中、ヘッドレストが調整できるシートを採用したのはうれしい限りです。安全運転は正しいドライビングポジションから、ですからね。

運転席まわりの様子

運転席側のドアポケット

アームレスト近傍の収納スペース

 室内は華美な装飾がなくシンプルな印象。大型のナビが目を惹きます。収納は軽自動車ほどではありませんが十分なもの。まずドアポケットにはドリンクホルダー、つづいてアームレスト近傍にもドリンクホルダー2つが用意されています。

大きなペットボトルはもちろん、カフェの紙コップもOK

仕切り板は取り外し可能

大きな収納スペースが生まれる

 このドリンクホルダーが秀逸。というのも、大型のペットボトルから小さな紙コップまで対応できるほか、仕切り板が取り外しできるのです。

バイザー裏にはミラーだけでなくライトも用意されていた

 室内関係に目を向けると、バイザー裏にはミラーが用意されています。ミラーそのものは特別目新しいものではありませんが、ライトまで用意されているのは、女性的にはうれしいのではないでしょうか。実に細かいところまで考えられています。

【ベストバイの理由 その5】
必要にして十分な機能

 機能面でもキックスは使いやすいクルマに仕上がっています。日産車としては目新しいものはないのですが、それゆえに完成されているのです。

SOSボタンも用意

 まず天井にはSOSボタンが用意されています。「煽り運転にSOSボタン」という報道を見かけますが、このボタンのよいところは万が一の緊急時の連絡がスムースになるところ。滅多に使うことはありませんが、安心感が違います。

ハンドルヒーターボタン

シートヒーターボタン

 寒い日に助かる装備が、シートヒーターとハンドルヒーターでしょう。もちろんキックスには用意されています。中でもハンドルヒーターは寒い朝にはうれしい装備。しかも、日産のハンドルヒーターは30分後に自動的にオフになる機能も備えています。つまり切り忘れる心配がありません。

電子サイドブレーキとオートブレーキホールドボタン

 サイドブレーキは電子式で、ボタン操作で行なうので力一杯レバーを引かなくて大丈夫。それにレバーではない分、室内が広く感じられます。さらにオートブレーキホールドは、停止時にブレーキペダルを離しても車両が停止したままの状態をキープするというもの。これは信号待ちなどで効果を発揮します。

オプションのインテリジェントルームミラー

オプションのアラウンドビューモニター

 またメーカーオプションになりますが、アラウンドビューモニターとインテリジェントルームミラーも用意されています(価格は6万9300円)。これで車庫入れなどはバッチリでしょう。またインテリジェントルームミラーは、角度を変えても見える範囲は変わりませんので、見やすい位置にルームミラーの角度が調整できるのもイイです。

ディーラーオプションのカーナビを使っている様子

タッチパネルで日本語入力しているところ

スマホ風の入力画面

ETCカードが入っていないエラー画面

ETCカードが入っていないエラー画面2

 いい点ばかりを挙げてきたので提灯記事と言われそうですが、欠点も申し上げたいと思います。それはディーラーオプションの純正カーナビ。この画面がリーフの純正オプションに比べて滲みが少なく綺麗なのですが、いかんせん約31万円という値段と、その価格にはちょっと似合わない機能性です。まず渋滞の有無にかかわらず、大通りではなく裏道を通りたがります。次に日本語入力時に、スマホでおなじみのフリック入力に対応していません。そして携帯電話と連携していないと、始動時に注意のメッセージが出るほか、ETCカードに至っては何度となく警告メッセージを出し、さらにOKボタンをタップしないと画面が見えない状態になってしまいます。ここは改善してほしいところです。

プロパイロットを利用している様子

 高速道路における同一車線運転支援システム「プロパイロット」も搭載。当初は単眼カメラであったプロパイロットですが、同じ名前でも車種が新しくなるほど進化しています。プロパイロットのよい点は、他社に比べて操作が簡便というところ。普通のクルーズコントロールと同じ使い方で、車線と車間の監視がスタートするのは良いところ。

【ベストバイの理由 その6】
運転がしやすい

キックスはダッシュボードの映り込みが少ないクルマ

 キックスは、他のクルマと比べてダッシュボードの映り込みが少ない方のクルマといえます。まったくない、というわけではありませんが、フロントガラスの映り込みが多いと、視界不良になる場合があります。ですのでキックスはその点において不満は少ないです。

運転席側から左側Aピラーを見た様子

 また視界が広いのもキックスの美質。左側の死角確認もピラーが細めですので見やすいといえるでしょう。これなら初めての方でも安心して運転できるのではないでしょうか。

【まとめ】コンサバティブにまとめられた1台

 クルマは、買う時には想定していない使い方をすることがあります。特にストイックなスポーツカーを購入すると、後になって困ることが多々……。ですが、キックスは誰が乗っても不満を感じることの少ない機能性を備えた1台に仕上げられています。それでいて車両本体価格は300万円を切る金額で、オプションをつけた状態で350万円。ですので、乗り出しは370万円位になってくるかと思います。キックスはライバルと比べて少し価格が高いですが、クルマは長く使うもの。それゆえ、機能面や静粛性を考えてベストバイに推したいと思います。

試乗したキックスのオプションと金額

 キックスは、日産のディーラーはもちろん、横浜のグローバル本社ギャラリーでも試乗が可能です。ぜひ体験してみてください。

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