●PayPay残高を持った人が伝道師に
一般にモバイル決済では、「アプリのインストール」「口座との紐づけ」のハードルが高いとされてきました。PayPayは100億円のバラマキによって、高いハードルを乗り越えようとしているわけです。
それでも、プリペイドの残高がゼロの状態で銀行口座からチャージしてもらうことは困難です。そこでPayPayは登録時に500円のボーナスを付与し、事前のキャンペーンでは5000円分のチャージで1000円分を還元しています。その後で、20%還元、40回に1回の確率で支払額全額還元など、あらゆる手を使ってユーザーに「PayPay残高」を持たせようとしています。
PayPay残高を持ったユーザーには、ある種の「伝道師」としての役割が期待できます。ポイントに詳しい人として家族や友人に使い方を教えるだけでなく、対応店舗では店員を「教育」してくれるので、トレーニングの手間が省けます。PayPayを導入していない店舗で「営業トーク」をしてくれる可能性もあります。
全国にPayPayを普及させるにあたり、消費者向けのテレビCMや店舗への訪問営業も活用しつつ、多額の残高を持ったユーザーが勝手に広めてくれる口コミ効果も大きいというわけです。PayPay以外にも、他の決済サービスが盛り上がる下地ができるという意味では、日本のキャッシュレス化に大きく貢献しているといえるでしょう。
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