クラウンとしての質感や使い勝手は変わらず
話をクラウンFCEVに戻しましょう。ラゲッジはゴルフバックが2つ入る容量を確保。社長さんや役員さんのニーズにもシッカリ応えられます。「2つじゃ足りない! 3つ入れたい」という方は、クラウン(セダン)HEVをお選びいただければと思います。
ラゲッジをみるとAC100Vアウトレットを装備。一般家庭の電力消費量(400W/1時間と想定)で一充填で4日分の電力を供給できるそうです。
リアシートはレクサスLCと同じというわけにはいきませんが、おもてなしの世界そのもの。シート表皮は、クラウンではセダン専用となる最上級のプレミアムナッパ本革を標準で採用。内装色はオーソドックスな「ブラック」のほか、「ミッドブラウン」が外板色を問わずに選択可能です。5人乗りですが、センタートンネルが盛り上がっているため実質4人乗り。
アームレストを引き出すと、液晶画面が出てきて、エアコン調整やリクライニング、さらにマッサージの設定などが可能。USB Type-Cのほか、AC100Vも用意され、おもてなし高級車感がいっぱいです。
後席重視と清水さんはおっしゃっていましたが、運転席も上質の空間。各部に杢目(もくめ)調パネルやサテンメッキの装飾がおごられるほか、64色から選べるLED照明も備えています。
左右非対称のダッシュボード、運転席と中央に配された2枚の12.3インチTFTカラーディスプレイなど、インストゥルメントパネルまわりの基本デザインはほかのクラウンと同様ですが、センタートンネルがあるため、センターコンソールはセダンよりも大きかったりします。
価格は830万円。HEVより100万円高いものの、CEV補助金として国から136万3000円が支給されます。さらに自治体によっては助成金(たとえば東京都では最大140万円)も。そうすると276万3000円優遇されますので、実質553万7000円!
“実質”というのは、補助金などは購入後から給付されるためで、販売店とは830万円で契約しなければなりません。本当に普及を目指すなら、最初から補助金分を値引いてローンを組ませてほしいと思うのですが……。
【まとめ】運転するのも後席に乗るのも楽しいクルマ
以前クラウン(クロスオーバー)を試乗した時も、上質な乗り心地とハンドリングの良さに驚かされましたが、クラウンFCEVはさらに上を行くものでした。
試乗時間が限られていたことと、“偉い人が乗る公用車になりうるクルマ”ということで、内堀通り(皇居周辺)を中心に走行したのですが、その乗り心地は極上のひとこと。まるでソファーが滑っているかのようなスムースさは、ながらく日本専売車として販売され、日本の道を知り尽くしたクラウンだからこそ得られる世界。
さらにモーター駆動車ゆえの静粛性が加わります。外部の音も抑えられていることから、車内はエアコンの送風音しか聞こえず、「本当に自分はクルマの中にいるのか?」と、疑ってしまうほど。
「静粛性で乗り心地がよいけど、走りがイマイチだったらイラナイ」という方。モータードライブゆえトルクフルでパワフル。「重くて加速しない」ということはありません。それ以上に、運転が「丁寧な走りを楽しむ」という方向にシフトしていきます。
秀逸なのが「リアコンフォート」というドライブモード。低速走行時はリアダンパーをもっとも柔らかい方向に変更するほか、ブレーキやアクセルも前後方向に揺られないように制御。これによって「より舐めるように走る」のです。そのほか、スポーツモードなどもありますので、ワインディングなどでは胸のすくような走りが楽しめそうです。
「いつかはクラウン」は「偉くなってお金持ちになったらクラウン」という富の象徴だけでなく、「クルマ選びの終着点」としての意味があるのかもしれません。なかなか機会はないかもしれませんが、クラウンFCEVはぜひ試乗体験していただきたい1台です!
インフラの課題はありますが、近くに水素ステーションがあるなら検討の価値は絶対アリ! 満充填で800km走行できますから、たまの遠出にも対応できそう。BEVやICE(内燃機関)、ハイブリッドと、今は色々なクルマが選べる時代の中で、新たにFCEVの魅力機が加わったことを素直に喜びたいと思います。
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