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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第439回

最後のエンジン版「マカンT」はファーストポルシェに最適なマジ買い物件だった

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

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素晴らしいデキだが
ポルシェに乗った感覚が薄い

ポルシェ

 結論から申し上げれば、マカンTは実に素晴らしいクルマだが、いくつか引っかかった部分もある。そこで、最初にマカンTで感じた気になった部分から文章を始めることにしたい。

 筆者は過去、911だけで5グレード、BEVのタイカンを2グレード、そのほかボクスター、カイエン、パナメーラ、そして今回のマカンと11車種しかポルシェの試乗経験がない“にわか”であることを承知の上で、マカンTは「素晴らしいクルマであるが、ポルシェに乗ったという手応えが薄い」と感じた。

 何をもって“ポルシェに乗ったという手応え”を感じられるのだろうか? 筆者は「ドライバーを突き放すかのような緊張感と手強さ」だと思っている。わずかな緩みすらない操作感と、ミシリとも言わない堅牢なボディーは、ドライバーの意図をダイレクトに反映する。当然ミスをすればスグに跳ね返ってくる。ドライビングに一切の妥協を許さない、それがポルシェの世界だ。

 常に緊張感を伴うが、そのあとには心地よい疲労感と達成感を得る。気づけば速く、かつ丁寧にクルマを走らせる技術が身につく。これがポルシェのエクスペリエンスだ。

ポルシェ

 マカンTはドライバーにそのような緊張を強いない。ポジティブに表現するなら「カジュアル」で「フレンドリー」だ。街乗りに高速道路、ワインディングとステージを選ばずに、ドライバーが意図するオンザレールの走りを披露。車内はリラックスムードで、楽しい時間が流れる。「技術はすべて人のためにある」という考えに沿うと、クルマとしては実に正しい。

ポルシェ

 それに緊張感を強いるクルマでは、トヨタ「ハリヤー」レクサス「NX」、日産「エクストレイル」、Honda「ZR-V」、スバル「フォレスター」、メルセデス「GLC」、BMW「X3」、アウディ「Q5」、ボルボ「XC60」などなど実力機が並ぶDセグメントSUV市場では受け入れられないのだろう。アクセルペダルが、他のポルシェと違い、ライバルたちと同じ吊り下げ式ないのも、誰もが扱うクルマだからなのかもしれない。

 そのようなことを思いつつも、群雄割拠のDセグメントSUV市場の中で、マカンTは出色のデキ栄えの1台であると断言できる。感心したのは乗り心地で、ライバルたちとは段違いだ。エアサスを装着している影響か、高速道路のつなぎ目などで強いショックを感じさせない乗り味は、まるでマジックカーペットのよう。

 数多あるプレミアムブランドのライバルよりプラス200~300万円の予算が許されるなら、そして維持できるだけの財力があるなら、マカンTは買いの1台だ。高いだけのエクスペリエンスをオーナーと同乗者に提供する。これもまたポルシェのエクスペリエンスだ。

 2L 直4ターボエンジンは、生理的な心地よさが印象的。EVのタイカンのスポーツモードのような、まるでカタパルトから発射される戦闘機のような加速も捨てがたい。一瞬のタメからの太い音を奏でながら加速するフィールは実に素晴らしい。

ポルシェ

 ボディーは重たいハズなのに、軽快さが印象に残り、回頭性のよさも相まってスポーツブランドらしい説得力を持つ。色々な機械が複雑に織りなしながら、走り、曲がり、止まる。やはり機械を動かしている、というのはイイ。ステアリングを握りながら、ポルシェの意地を垣間見た気がした。

【まとめ】今後確実にエンジン版の価格はあがるので
今のうちに乗っておくのはアリ

 EV化はポルシェとしても無視できない世界的な流れだ。最量販車であろうマカンのEV化は必然なのだろうが、一方で別次元の完成度を誇るガソリンエンジンのマカンが消えるのはもったいない話だ。EVマカンが、ガソリンエンジンマカンを超える魅力を放つかはまだわからないし、そもそも日本導入がいつ頃になるかも不明だ(確実に導入されるとは思うが)。

 だとしたら、今のうちにガソリンエンジンマカンを手に入れ、気負わずにラストガソリン車としてカジュアルポルシェを愛でるのはアリだと思う。

ポルシェ

■関連サイト

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。

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