あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第14回

自動車の黒船、テスラ Model3はアメリカ的合理主義の集合体だ

文●栗原祥光 撮影●栗原祥光

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ドイツ車のようなガッシリ感のある操作系
メーターの視認性にやや難あり

 ステアリングやアクセル、ペダルといった「物理スイッチ」はすべてしっかりとした手ごたえのあるもの。ドイツ車よりも重たい操作系に頼もしさを感じる。アクセルは他社の電気自動車でも採用されているワンペダル動作なのだが、ラフにアクセルを抜くと強い回生ブレーキがかかるので注意は必要。基本的にワンペダル動作なのだが、最後の停止はブレーキペダルを踏むところが、他のワンペダル動作とは異なる。そしてヒルスタートが弱いらしく、急坂の坂道発進で少し後ろに下がったことに驚いた。

バックにすると大型ディスプレイにリア画像が映し出される

障害物に近づくとその位置を教えてくれる

 速度計がセンターコンソール側にあるため、速度確認はやや煩雑。視線移動の面から考えて、速度計はハンドルの下にあるありがたみを感じた。速度表示の下には車両の周りの様子が表示されている。Model 3に搭載するカメラやセンサーを使い、人やバイク、車、大型車などがどこにいるのかがリアルタイムで出るのだ。さらに車線と自車との位置関係も表示。障害物が近づくと、1㎝単位で、その距離と場所を教えてくれる。もはやバックミラーがいらないのでは? とまでは思わないまでも、死角ゼロと言ってもよいだろう。

走行中のテスラModel 3

19インチホイールとコンチネンタル製タイヤの組み合わせ

乗り心地はかなり引き締まっている
高速道路がメインステージか

 さて、アメリカ車というと柔らかな乗り心地というイメージが強い。だが、Model 3はかなり引き締まったもので、コンチネンタル製タイヤの硬質さと相まってスポーティーだ。荒れた一般道ではコツコツとした微振動を感じるが、高速道路に乗ると「こっちに合わせたのか」と納得する快適さ。車体からロードノイズ以外の音がしないのは、電気自動車ならではの世界。そして電気自動車というとエコで走りが楽しめないという印象を持たれるかもしれないが、それは逆で、Model 3はかなり楽しい1台に仕上げられている。冒頭の加速性能はその一つで、高速道路の合流加速などはガツンと行ける。

Model 3のオートパイロットを利用している様子

前走車がいない状態だとセットした速度まで加速する

 その高速道路でオートパイロット、つまり自動運転を試してみた。シフトレバーの下側をもう2回押し下げるとオートパイロットが開始する。ウワサに聞きしModel 3の自動運転に身構えたのだが、思ったより介入度合いが少なく、ドライバーにそっと寄り添う印象。同じ電気自動車で自動運転を搭載する日産リーフと比べると、リーフが車線の中央を維持し続けようとする強い意志を感じるのに対して、Model 3は車線の中なら比較的自由に、補正量は少ないという印象だ。

 リーフの名を出したついでに話をすると、電気自動車で高速道路を巡行すると、誰もが地面に吸い付いているかのような安定感に驚くことだろう。これはバッテリーを底面にぎっしり配置した低重心レイアウトゆえのこと。そして航続距離を伸ばすため、いずれもエアロダイナミクスには気を配っており風切り音がとても少ない。いっぽう速度を上げれば上げるほど、電力を消費する傾向ため航続距離は減る。

Model 3を充電している様子

 サービスエリアなどで急速充電が可能になっているものの、蓄電池の電力容量が増えた現在の電気自動車の30分という制限時間では7割程度しか充電できない。それゆえ高速道路を巡行する際には、法定速度で左車線をゆったりと自動運転で快適な時を愉しむのが大人の余裕だろう。とはいえ、まだ全国でも数は限られているが、テスラの場合「スーパーチャージャー」と呼ぶ超急速充電システムがあり、30分もかからずにフル充電ができる。テスラはその弱点を解消しつつあるのだ。

青山にあるテスラのショールーム

テスラ車両のボディーを取り除いた状態。底面にバッテリーがぎっしりと敷き詰められている

リアに設けられたモーター部

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