マイナーチェンジの枠を超えた「2025年モデル」の衝撃
2020年に誕生するや人気沸騰。2023年には「世界でイチバン売れたクルマ」になったテスラ「モデルY」が、2025年にマイナーチェンジしました。その中身はマイナーチェンジという枠を超えて、フルモデルチェンジといってもよいほどでした。
日本におけるテスラの売れ行きは好調のようで、2024年は約5000台。2025年は8月時点で前年を超える販売台数を記録したのだそう。この販売台数は輸入電気自動車としてはトップで、確かに都内中心部でテスラを見かけない日はないほど。最初はイロモノに思えたテスラも、今や市民権を得ていることを実感します。
ということで、SUVのモデルYのマイナーチェンジモデルを試乗するわけですが、担当者から渡されたのはカードキーのほか、スマホを貸してくださいと言われて預けると、専用アプリをインストールしたあと、何やらポチポチっと操作。どうやらアプリと車両が連携したようで「あとはスマホを持っていれば普通に動きます」というから驚き。
事実、乗り込んだら、シートベルトをすれば自動的にDレンジに入り、ブレーキを離せばスルスルっとクルマが動き出します。そう、車両の電源ボタンを押す必要もなければ、そもそも電源ボタンが見当たらないのです。
ミニマリズムの極致
シフト操作さえも15.4インチ画面に集約
車内を眺めてみるとハンドルのほか、中央に15.4インチのタッチパネルディスプレイのみ。物理的なボタンやスイッチが極力排除されて、ステアリングホイールまわりに少しある程度というミニマリズムの極みそのもの。
驚くべきはシフト操作もタッチスクリーンで行なうということ。以前はメルセデス・ベンツのようなコラムシフトだったのですが、それすらも排除するとは……。
Apple CarPlayなどが一切対応していないのもテスラの特徴。それどころかスマホと車両をケーブルで接続する機能すらない! センターコンソールのアームレストを開けるとUSB Type-Cの端子が見えますが、それはあくまでスマホの充電用。このあたりにテスラの自社ソフトに対する自信を感じました。
スマホトレイはワイヤレス充電に対応。近くにドリンクホルダーと小物入れがありますが、小物入れという割には奥が深くて、ちょっと使いづらい印象を受けました。
このディスプレイを色々といじってみると「こんなこともできるの!?」がいっぱい。ステアリングの重さや回生量だけでなく、エアコンルーバーの操作までタッチスクリーン操作というから驚きです。
マイナーチェンジでは、フロントシートにベンチレーション機能が追加された模様。これは酷暑の日本にはうれしい改良といえるでしょう。
リアは少し広くなったほか、背もたれが電動式へと変更。さらに8インチのセンターディスプレイが追加され、アメニティ操作のほか、なんとYouTubeなどの試聴もできるからすごい!
驚異の収納力と日本一の充電インフラ環境
ボディーサイズは全長4800×全幅1920×全高1625mm、ホイールベース2890mmと、前モデルに比べて全長が少し長くなりました。このサイズはアウディならQ5、メルセデス・ベンツならGLCあたりに相当するサイズ感。日本の道では、ちょっと大きいかなというサイズです。フロントヘッドライトの形状が細くなり、より近未来感がアップした印象です。
ラゲッジは最大822リッター、後席をたたんだ状態で最大2022リッター。これは他社のSUVより大容量です。
フロントには、最近では「フランク」と呼ばれるラゲッジスペースが用意されています。従来は排水機能がありませんでしたが、新たに追加されました。
テスラ・モデルYにはさまざまなグレードがありますが、ロングレンジAWDを選択した場合の一充電走行距離はWLTCモードで635km。充電はテスラ方式と言われる独自規格ですが、最大250kW出力の充電スポット(スーパーチャージャー)が結構あったりします。CHAdeMOアダプターもあるので、日本で最も充電施設がある電気自動車といえるでしょう。
今回の改良では、サスペンションが大幅に見直されているとのこと。その効果は確かにあり、ちょっと硬めだけど不快ではない、どこかBMW的な乗り味。ステアリングホイールも太めなので、よりBMWっぽいと思いました。これは前モデルが乗り心地が悪いというわけではなく、前作からより洗練されたということです。
【まとめ】スマホネイティブ世代が選ぶ「最も堅実な選択肢」
総じて「完成度を高めた」という印象。ボタン類が少ないこと、電気自動車であることから、クルマ好きには響かないかもしれません。ですが車両を返却する際、数組の納車をみたのですが、30代の若い人が中心であるところを見ながら、「若い頃からスマホに触れている人には刺さるんだろうな」と思った次第。そして補助金が結構出ることから、意外と堅実な選択肢なのかと感じました。
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