宮川社長「1000万ユーザー超えたら帯域足りなくなる」
もうひとつ、楽天モバイルのプラチナバンドにおける懸念材料が、3MHz幅しかないという点だ。
競合3社はいずれも25MHz幅を持っている。今回、この3MHz幅の割り当てを楽天モバイルに提案したNTTドコモによれば、3MHz幅あれば、1100万契約分を収容できる一方で、通信速度は下り30Mbps程度に留まるとしている。業界内では「楽天モバイルはNTTドコモに貧乏クジを引かされたのではないか」と見る向きもあるが、ソフトバンクの宮川社長は「私は貧乏クジだとは思わない。持っていると持っていないでは似て非なるものだ」と、プラチナバンドがあるだけでも相当なメリットがあると主張する。
宮川社長は「3MHz幅があれば、相当なエリアカバーを実現できる。ただし、1000万ユーザーを超えるようになれば、その帯域では足りなくなるだろう」とNTTドコモの試算と同様の見方を示した。
では、楽天モバイルが1000万ユーザーを超えることはあり得るのか。
現在、楽天モバイルには542万人のユーザーがおり、10月の純増数は19.2万人を計上している。このままのペースであれば、2024年末までには800〜1000万の契約回線数を達成する見込みだという。
楽天モバイルでは現在のネットワークでは1000万人以上の契約回線をサポートできるキャパシティを確保しており、2024〜2025年にかけて多額の設備投資は不要とみているようだ。
とりあえず、あと2年間程度はネットワークキャパシティを拡大させる設備投資は回避できるようだが、1000万契約を超えてくると、さらなる追加投資が必要となるだろう。
プラチナバンドしか吹いていないような場所では、トラフィックがひっ迫し、「データが流れてこない」という事にもなりかねない。

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