教育市場で存在感、アップル製品に強いアクセサリーブランド
教育ICT環境の実現を掲げ、全国の小中学生一人に1台コンピュータを提供する文部科学省のGIGAスクール構想。そのために1台あたり5万5000円の補助基準額が定められているほか、学校内の通信ネットワークを整備なども進められている。
このGIGAスクール構想に向け、各社が製品開発に取り組んでいるが、iPadを導入したいと考えた際に注目したいのが、キーボード一体型ケースの導入だ。
ここで取り上げる「STM Dux」は、児童の教育環境向上に一役買っているSTM GOODS(以下STM)が、日本向け仕様を施して販売している製品だ。
国内代理店のアーキサイトを通じた出荷台数は21万台以上に到達。12月にかけて追加で5万台超が出荷され、総出荷台数は27万台を超える予定だという。
STMは1998年にオーストラリアで設立された企業で、アップル製品のアクセサリーを中心に現在はアメリカ、ヨーロッパ、アジアなどグローバル市場で製品を展開している。
日本市場ではなじみの少ないSTMだが、30年に迫る長い歴史やデザイン性や機能に対して独自のこだわりを通じて、海外の教育市場では強い存在感を持つブランドとなっている。国内でも大規模な導入が決まっている状態だという。
ASCIIでは、来日したSTMの共同創設者 製品責任者 アディーナ・ジェイコブス氏、COOのウェイン・ファルクナー氏、教育市場責任者 マット・ゴルスキー氏の3名にSTMの理念や、日本の教育市場への対応などのお話を伺った。
子供のために考えられた丈夫で使いやすいケース
日本市場にも投入されたキーボード一体型ケース「STM Dux」は、教育市場を想定したiPad用端末ケースで、第10世代iPadとA16チップ搭載iPadに対応している。
iPadとの接続はケース部に内蔵されているUSB-Cケーブルを直接差し込むだけのシンプルな設計だ。第10世代iPadではヘッドホンジャックが廃止されたが、教育現場で生徒たちがスピーカーから授業を聞くわけにいかないため、3.5mmのポートを搭載している。
最近のスマホやタブレットにはイヤホン端子を搭載しない製品も増えているが、有線接続は子供でも差せば使えるという分かりやすさがある。
ケース部分はMIL-STD-810H(米軍規格)準拠の落下試験をクリアする堅牢さを持ち、ケース表面はIPX3、キーボードはIPXレベル1の防水性能を備えている。
これは「教師が教えることに集中でき、生徒は学ぶことに集中できることが重要だ」という考えに基づく。iPadがケース内で確実に保護されるよう、頑丈なケースを設計したという。
また、最大180度まで無段階調整できるスタンド機能は、生徒が誤って押し下げた際は完全に平らに折りたたまれて破損を免れる設計だ。また、生徒はアクセサリーや持ち物をいじりたがり、物を壊す傾向があるため、キーが外せない設計となっており、破損しにくい構造になっている。
サイズは幅267.9×奥行き219×高さ24.8mmで、本体重量は584g(iPadと組み合わせた場合1061g)と軽量で、小学校低学年でも持ち運べる重さだ。キーピッチは17±0.2mmとなっており、大人が使うキーボードよりも狭く、指の短い子どもが使いやすいキーピッチになっている。キーストロークは1.75mm±0.2mm。接続はUSB-Cで、電力はiPadから供給される。

















