日本で5Gサービスがスタートして3年半が経過するが、いまだに盛り上がりに欠けた状態だ。
スマートフォンで「5G」が受信された状態でも、超高速の通信を体感できるわけでもなく、5Gならではのキラーサービスも皆無と言える。
キャリアにネットワーク機器を収めているエリクソン・ジャパンの野崎哲社長は、「2023年6月時点で5Gの加入者数は7500万件、人口カバー率は96.6%であり、ほかの国と比べて突出しているが、展開エリアの多くは4G LTEの周波数帯を転用しているだけにすぎない」と指摘する。
実際のところ、KDDIとソフトバンクは4G LTEで使われていた周波数帯を5Gに転用してきたため、5Gのエリア展開は早かったが、通信速度の面では4G LTEと変わらない状態であった。
一方、NTTドコモは4G LTE転用よりも、5G向けに割り当てられた周波数帯できっちりと5G展開しようとしていたが、結果的に5Gのエリア展開がままならず、4G LTEの周波数帯にトラフィックが集中し、ネットワーク品質の低下を招いているようだ。

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