過去のアーケードタイトルが遊べる要素も!

CBTで見えた『ストリートファイター6』の魅力とは?新モード「BATTLE HUB」を中心にゲームの基本をレポート!

2022年10月21日 14時00分更新

文● 松野将太 編集●ミヤザキ

新たな戦闘システム「ドライブシステム」、強力な特殊技を軸にした戦闘が可能

実際の対戦画面。体力ゲージの下にあるのが「ドライブゲージ」だ

 今作から導入された対戦システムについても触れておこう。本作で導入された「ドライブシステム」は、従来の対戦で使われてきた要素を引き継ぎつつ、初心者から上級者まで駆け引きを楽しみやすいよう昇華されたものと言っていいだろう。

 プレイヤーは「ドライブゲージ」を消費して序盤からさまざまな特殊行動を取ることが可能となっており、このゲージを上手くコントロールしながら戦うことが、勝利に近づくためのコツになってくる。

ドライブインパクトを発動するとド派手なエフェクトとともにキャラクターがアーマー状態となり、敵の攻撃に耐えつつ打撃を放つ

敵の攻撃にあわせれば強力なカウンターとなり、相手を坑道不能にさせることも。極めて使いやすいが、ドライブインパクトにドライブインパクトをあわせられることもあるので注意

 ドライブシステムにおいてもっとも特徴的なのが、ワンボタンで出せる強力な「ドライブインパクト」と「ドライブパリィ」だ。「ドライブインパクト」は相手の攻撃をアーマーで耐えつつ攻撃可能な特殊技で、ほとんどの攻撃に対し、手痛い反撃を喰らわせることができる。

 これまでの感覚で技を振っているとあっという間にドライブインパクトの餌食になるが、ドライブインパクトにドライブインパクトをあわせる、といった逆カウンターも強力なので、対戦に慣れていないプレイヤーでもこれを軸に戦っていける。

体が青く発光し、相手の攻撃を自動ガードする「ドライブパリィ」。こちらもコマンド不要で、投げ以外の攻撃にめっぽう強い

 一方の「ドライブパリィ」は、相手の攻撃を自動でガードしてくれる防御技。打撃技に対してめっぽう強く、同時にドライブゲージを回復してくれる。また、タイミング良く発動した場合に発生する「ジャストパリィ」では相手の動きをわずかに止めることもでき、そのまま反撃に移るのも有効だ。

 このようにコマンド操作不要で強力なアクションが取れるため、初心者対戦から上級者対戦まで、さまざまなシチュエーションで行動の読みあいが発生しやすいのが本作の特徴と言えるだろう。

 そのほか、通常技やドライブパリィの硬直をキャンセルする「ドライブラッシュ」、ガード硬直をキャンセルして反撃する「ドライブリバーサル」、必殺技を強化できる「オーバードライブ」など、ドライブゲージの使い方次第でさらに豊富な行動が可能となっている。

画面下部にあるのがスーパーアーツゲージ。従来のEXゲージに相当する

最大3スタックし、スタック数ごとにレベル1~3のスーパーアーツを発動できる

 このドライブゲージとは別に、いわゆる超必殺技「スーパーアーツ」を放つためのゲージが試合開始から徐々に溜まっていく。ゲージは3スタックし、スタックの段階ごとに1~3レベルの必殺技を発動できるようになるので、試合時間が進むほど強力な技を放てる仕組みだ。

 また、体力が25%を切った状態ではレベル3のスーパーアーツが「クリティカルアーツ」に変化して威力がアップするといった逆転要素も存在する。

操作モード「モダンタイプ」では、コマンド入力が簡略化。方向キー1つと4ボタンで通常技や必殺技を撃ち分けられる。自由度は狭まるが、手っ取り早く習熟できる

こちらは従来どおりの「クラシックタイプ」。しっかりコマンド入力する必要があるものの、技の多様性はこちらが上だ

 また、キャラクターの操作モードが「クラシックタイプ」と「モダンタイプ」に分かれているのも大きなポイントだろう。

 クラシックタイプはいわゆる従来シリーズどおりの操作方法だが、モダンタイプは攻撃ボタンが「弱」「中」「強」「必殺技」の4ボタンとコンパクトで、ここに方向キーの1方向を組みあわせることでコマンド技を出していく新たな操作方法となっている。

「BATTLE HUB」の筐体アクセス時には操作タイプも選択できた。使うキャラクターによって操作タイプを変えてもいいかもしれない

 パンチとキックがボタンで分かれていないため従来のプレイヤーには違和感があるかもしれないが、アシストボタンと攻撃ボタン連打で簡単にコンボを放つことができるなど、操作自体はかなりシンプルになる。

 入力が簡素化してミスも減らせるため、複雑なコマンド入力を避けたいプレイヤーや自由度より入力速度を少しでも速めたいプレイヤーにとっては使い勝手がいいかもしれない。

なおPC版の場合、オプションから画質なども設定可能。描画エンジンは「バイオハザード」や「モンスターハンター」シリーズなどにも使用されているRE Engineだ。フレームレート設定は可能だが、通信対戦などのフレームレートは60fpsに固定される

あらゆるプレイヤーが「なじみやすい」、新たな時代の対戦格闘ゲームに?

 現在はβテストで本作の魅力の一部分に触れたに過ぎないが、総じて「あらゆるプレイヤー層がゲームになじみやすい」よう強く配慮されているのが本作のもっとも重要なポイントであるように感じた。

 ドライブシステムは明確に強い行動が提示されているため勘所が掴みやすく、まだプレイに慣れていない場面でも対戦を楽しむための要素になる。

 「BATTLE HUB」モードは腕前を問わず楽しめる空間としての魅力があり、対戦に向けてのハードルを下げてくれるのはもちろん、プレイヤーが「対戦格闘ゲームのコミュニティー」そのものになじむ助けとなってくれるだろう。

 対戦を楽しむに至るまでの障壁の多さから、ゲームジャンル的には「とっつきにくい」と言われがちな格闘ゲームだが、本作ではそうした煩雑さが極力取り払われており、腕前によらずプレイヤーを楽しませるための心配りが随所にみられる。実況と解説者が試合展開をリアルタイムに実況してくれる「実況モード」なども、そうした試みの一つだろう。

 短い時間ながら垣間見えた『ストリートファイター6』の懐の深さは、新たな時代の対戦格闘ゲームのスタンダードとなっていくのかもしれない。今から発売が楽しみだ。

新キャラはもちろん、おなじみのキャラが登場する物語も気になるところ。シリーズ上ではもっとも新しい時代が舞台になるようだが……?

【ゲーム情報】

タイトル:ストリートファイター6
ジャンル:対戦格闘
販売:カプコン
プラットフォーム:PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/PC(Steam)
発売日:2023年予定
価格:未定
プレイ人数:1~2人(オフラインの場合)
CERO:審査予定

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