昨年12月、ポルシェは同社初のEVスポーツカー「タイカン」の日本発売を開始しました。それにあわせ、ドイツのポルシェ・ミュージアムから3台の珍しいポルシェが届き、全国各地で展示されました。今回はそのうちの2台と、普段はサーキットでしか目にすることのできない911を紹介したいと思います。
ポルシェ伝説の始まり!
「ポルシェ 356A」
356は、ポルシェ初のスポーツカー。1948~1965年まで数多くのモデルが量産された、性能と居住性、実用性の3つを高度に満たした小型スポーツカーです。プレA型からC型まで、大きく4種類のモデルがリリースされました。
356Aは、1956~1959年ごろまで生産されました。356 A 1300(最高出力:44PS)、 356 A 1300スーパー(最高出力:60PS)、 356 A 1600(最高出力:60PS)、 356 A 1600スーパー(最高出力:75PS)、356 A 1500 GSカレラ(最高出力:100PS)と5車種がラインアップされ、それぞれにオープントップモデルが用意されました。今ではおなじみとなったスペイン語でレースを意味する「カレラ」の名が、ハイパフォーマンスモデルに付けられたのも、356Aからです。
ボディーサイズは全長3950×全幅1670×全高1310mm。イマドキの言い方をするなら、Bセグメントに近い大きさになります。ホイールベースは2100mmです。
エンジンは出力や排気量こそ異なるものの、すべてエンジンは水平対向の空冷4気筒。勿論リアにマウントされます。写真の356 A 1600が搭載するエンジンは、ソレックス32PBICキャブを装着した1582ccフラット4 OHV 616/1ユニット。ミッションはMT4速の519型で、最高速度160km/hを謳っていました。
フロントボンネットを開けると、スペアタイヤとガソリンタンクが姿を現します。ガソリンタンクを運転席側に置くのは、重量バランスを考えてのことでしょう。
室内の広さは軽自動車とほぼ同等。ですが、ヘッドレストがなくサイドサポートの低いシートはゆったりとした印象を与えてくれます。タコメーターを中央に、右側にスピードメーター、左側に燃料計や水温計を配置。このレイアウトは、その後のポルシェ製品にも引き継がれていきました。
後席も用意されており、一応オトナ4人が座ることができますが、足元が狭いのは現在の911と同様。このように356Aは今のポルシェに通ずるものをいくつも見つけることができました。それだけ完成された1台と言えるでしょう。
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