コクピットと呼ぶにふさわしい
質実剛健なインテリア
内装に目を向けると、ポルシェらしい室内空間がドライバーを迎え入れる。水平基調のデザインとドライバーに向けて湾曲したインパネは、現行型はもちろんナローポルシェにも通じるもの。この普遍性はそのままに、高品位表示の16.8型液晶ディスプレーとタッチパネルを用いて視認性の向上と洗練した操作性を実現している。
センターコンソールからシフトレバーの姿は消し、その代わりに大型タッチパネルディスプレーを設置。エアコン操作をはじめとする車内環境の設定はここから行なう。シフトレバーはどこに移動したのかというと、ステアリングホイールの左側近傍に位置する。ちなみにパドルシフトなどは用意されていない。
ダッシュボードに目を向けると2枚のタッチパネルディスプレーが装着されている。このディスプレイでナビゲーションおよび車両設定、オーディオ関連の操作が可能。2画面の恩恵は計り知れず、運転中に助手席の人がナビ画面を消すことなくグラフィカルインターフェイスでオーディオ操作ができるほか、知らない道でも助手席側で広範囲マップを映して道を調べることもできる。
車両設定はかなり細かく変更可能。大まかに設けられているモードは「Range」「Nomal」「Sport」「Sport Plus」「Indivisual」の5種類。「Range」は最も走行距離を伸ばす、いわゆるエコモードだ。面白いのは速度設定が設けられていることで、デフォルトでは100km/hに設定されていた。Nomalはポルシェらしい走りを一般道で味わうためのモード、Sport、Sport Plusに設定すると、サスペンションのセッティングが変更されるほか、アクセル開度によるレスポンスなどが変わる。Indivisualはサスペンションおよびアクセル開度などの設定を個別セッティングするためのものだ。
回生量をオフにできるという点も電気自動車としては目新しいもの。もちろんオフにすると航続距離は短くなってしまうものの、アクセルオフ時の速度が落ちづらく、スポーツ走行においては有利に働くことは想像に難しくない。
車両設定で面白いのは、オプションのエレクトリック スポーツサウンド(7万6364円)を装着すれば、走行音が変更できる点だ。電気自動車であるタイカンは、走行中の音はほぼ無音に近い。だがスポーツ走行をする上で、音もまた欠かせない要素だ。かといってエンジンのないクルマからエンジン音がするのもおかしな話。そこでポルシェは「電気自動車のモーター音を増強した音」を作成した。設定画面では「e-SPORT SOUND」と書かれた部分をタップすると、アクセルレスポンスに応じて、まるでSF映画に出てくるクルマのような音を奏でる。これはタイカンだからこそできるワザといえるだろう(その音は以下の動画で聞ける)。
内装にはレザーは使わず、再生素材が用いられている。エコ素材というと安っぽいのでは? と思われそうだが、見事な上質感で不満を覚えることはない。車高が低いため乗り降りは他社Dセグメントセダンと比べると若干大変。だが室内に入ってしまえば広く、後席もゆったり。天井も十分なヘッドクリアランスを保っている。オプションの「マッサージ機能付きのシートベンチレーション(フロント)」(30万4545円)を用意するあたりが、タイカンがスポーツカーよりグランドツーリング的な要素が強い車種であることを思わせる。
運転支援系も充実。360度カメラやRECAS(リアエンド・コリジョン・アラートシステム)と呼ぶソナーはもちろんのこと、ロングツーリング時において絶大なる効果を発揮する自動運転レベル2相当のアダプティブ・クルーズコントロール&車線監視システムも搭載されている。退屈な高速道路をいかに早く快適に過ごせるかという点において、ポルシェは他社のGTカーにひけをとらないばかりか、追従を許さないといえそうだ。
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