●日本の携帯設備は見直しを迫られる
ファーウェイは、スマホなどの端末事業と、キャリアに基地局などを納入するネットワーク事業の2つが主力となる。
特にネットワーク事業では、フィンランドのノキア、スウェーデンのエリクソンを抜き、世界トップシェアを誇る。毎年2月にスペイン・バルセロナで開催されている世界最大の通信関連イベント「Mobile World Congress」では、巨大なブースを出展し、世界中のキャリア関係者をもてなしているのが印象的だ。
日本では、ソフトバンクだけがファーウェイのネットワーク機器を採用している。現在、サービスが提供されている4Gの基地局などがファーウェイ製だが、2019年にプレサービスが始まろうとしている5Gでも、ファーウェイと実証実験を実施しており、導入は確実視されていた。
しかし、今回のような騒動となったことで、日本政府が米国政府に同調し、ファーウェイ製通信機器の導入に待ったをかけるような発言をしはじめた。発言を受けてソフトバンクは「日本政府の方針を注視している。当社は政府の方針に準拠する方向だが、今後については様々な検討をしていく」とコメント。導入を見送ると決まったわけではないとしながらも、政府の意向に従うのは間違いないさそうだ。
これから設置を始める5Gのネットワークだけでなく、すでに稼働している4Gのネットワークまで、ファーウェイ製から他社製に入れ替えるとなると、莫大な費用がかかってしまう。一方で日本政府から「4割値下げしろ」とも言われているだけに、値下げをしつつ、新規に5Gに設備投資するだけでなく、4Gの設備を入れ替えるという投資を両立するのは困難だろう。
ソフトバンクとしては、なんとか4G設備の見直しだけは避けたいはずだ。
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