米IBMは、世界中の大学生、大学院生を対象としたLinuxの技術コンテスト「Linux Scholar Challenge」を開催すると発表した。18歳以上で大学または大学院に在籍していれば、誰でも参加することができる。
このコンテストのルールは、学生は21の与えられたテーマから1つを選ぶか、自分で設定したテーマに従い、英文で1200語以内のレポートを作成、提出するというもの。与えられた21のテーマの概要は以下のとおり。
- セマフォの軽量な実装を提供せよ
- システムのバージョンを同定せよ
- アクセシビリティを強化せよ
- 「IBM eserver」用の高可用性Linuxシステムを構築せよ
- 「IBM Thinkpad」でLinuxをもっとも早く起動させる方法を述べよ
- 3Dハードウェアアクセラレータカードのサポートを提供せよ
- LinuxのモバイルIPv6用設定/監視/デバッグツールを提供せよ
- 「IBM Video Central for e-business tutorial」で動作する、拡張クライアントを作成せよ
- Linuxカーネルのロックの粒度を改善し、SMPマシンのパフォーマンスを改善せよ
- 大きなmmap範囲でのリニアページサーチをなくすようにせよ
- デバッガの機能を強化せよ
- システム移行ツール/ライブラリを作成せよ
- WLMのトランザクショントラッキング情報を視覚化するツールを作成せよ
- 「Magstar 3590 tape drive」の「IBM S/390 Linux」用ドライバを開発せよ
- SCTPの機能を、完全で使い勝手のよいものにせよ
- オンラインヘルプシステムを作成せよ
- 自動でテストを行なうツールを開発せよ
- TCP命令パスの長さが通常コンディションで66%まで減るようにせよ
- gcc 2.95以降でコンパイルできるカーネルを作成せよ
- 「IBM S/390」向けにセキュアなLinuxを構築せよ
参加には事前登録が必要。登録期間は9月15日までで、米IBMのホームページで登録を受け付けている。レポートは11月30日に締め切られ、12月14日に受賞者が発表される。採点はIBM基礎研究所の技術者などがあたり、「創造性」、「思慮深さ」、「効果」の3点を審査する。
上位25名には「IBM Thinkpad T Series」が贈られ、さらに上位3名は2002年夏にLTC(IBM Linux Technology Center)へのインターンシップに招待される。また、10名以上の学生が登録し、平均点がもっとも高い大学には、「IBM eserver xSeries」のLinuxクラスタか「IBM eserver zSeries」のLinuxサーバが贈られる。
このコンテストで米IBMは、学生にLinuxやオープンソース・ソフトウェアに慣れ親しむ機会を提供すると同時に、オープンソース・コミュニティへの貢献にもなることを目指すとしている。