米IBMは、ストレージエンジンや管理ソフトを含む、ストレージソフトウェアの開発、製品化に関するロードマップを発表した。
この発表によると、IBMのストレージ担当部門は、
- “仮想ストレージエンジン”
- ファイルシステム『Storage Tank』
- ストレージ管理インターフェイス
の3つを重点的に開発するという。これはStorage Networking Industry Associationが提唱している、ストレージ共有アーキテクチャのフレームワークを提示したモデル“Shared Storage Model”に基づいたもの。製品はそれぞれ、同モデルのブロックレイヤ、ファイルレイヤ、サービスサブシステムのコンポーネントにそれぞれ対応したものになる。
“仮想ストレージエンジン”は、Linuxベースの『IBM eserver xSeries』クラスタ上に実装され、ストレージネットワーク内でブロックレベルの管理を提供する。これにより、アプリケーションサーバとストレージサーバを遮断し、アプリケーションのパフォーマンスに影響を与えることなくストレージサーバ上でのデータ移動などが可能になる。また、キャッシュを保持したままで自動的にフェイルオーバー、再起動する機能などを持つという。
『Storage Tank』は、SANやNASで利用するファイルシステム。ストレージネットワーク全体を単一の名前空間で取り扱うことを可能にする。メタデータサーバはLinuxベースの『IBM eserver xSeries』クラスタ上に実装され、アーキテクチャの違いを意識することなく、UNIX、Linux、Windowsなど複数のOSを対象にしたアプリケーションサーバでのデータ共有を可能にする。
ストレージ管理インターフェイスは、「仮想ストレージエンジン」や『Storage Tank』などを管理するインターフェイス。Tivoliのストレージ管理インターフェイスなどを利用するものになる。
米IBMによると、正式発表は2003年を予定している。
