米IBMは、大学生を対象としたLinux技術コンテスト『2002 Linux Scholar Challenge』を開催することを発表した。
『2002 Linux Scholar Challenge』は、昨年より米IBMが行なっている技術コンテスト。昨年同様、与えられたテーマから選んだものか、自分で設定したテーマについて1200語以内のレポートを提出する。今年のテーマは以下のとおり。
- Linux環境向けにEclipseベースの『WebSphere Studio』プラグインを作成する
- Linux用『WebSphere』上のWebサービスを作成する
- サービスオリエントなバンキングアプリケーションを、WSDLやSOAP、UDDI、JavaなどのWebサービス用ツールキットを利用して作成する
- メインフレームLinuxが作業効率を向上させ、コストダウンを可能にする場面を考える
- Windows XPクライアントのアクティブディレクトリへのログオンプロセスを分析し、LDAPとKerberosを利用してLinux用のプロトタイプを作成する
- SCTPの機能を利用し、評価する
- (mipdiagなどのユーティリティを参考に)LinuxのモバイルIPv6用に設定、診断ツールを開発する
- モバイルIPv6実装の機能評価のためにテストスクリプトを開発する
- DHCPv6のためのリレーエージェントを開発する
- IPv6用NAT-PT変換メカニズムを開発する
- IPv4とIPv6の両方をサポートするネットワークユーティリティとデーモンを移植する
- ネットワーク接続の可用性を改善するために、ネットワークドライバでネットワークアダプタのフェイルオーバーサポートを開発する
- 19世紀半ばに開発された「Piano Roll」(紙テープにピアノ演奏を記録し再生可能にした装置)の紙テープ読みとり/書き込み装置を作成する
- 冷蔵庫に組み込めるLinuxシステムを開発する
- セキュアなLinux for S/390システムを開発する
- SQLの機能を利用、論証し、ビジネス機能を示すために、DB2のサンプルテーブル集を拡張する
- Linuxの仮想化技術の利用性、耐用性、認知度を改善する
応募資格は、18歳以上で、大学の2年次から4年次までの学生であること。登録はWebを通じて10月31日までに行なう。レポートの提出は12月13日まで。審査結果は2003年1月20日に、郵送およびメールで通知される。なお、レポートに含まれるソースコードについては、OSIが挙げているオープンソースライセンスか、IBM Open Source Licenceで利用できることが求められる。
審査はIBM基礎研究所やLinux Technology Centerの技術者から構成される委員会で行なわれ、「創造性」、「完成度」、「明確性」、「結果」を基準に評価される。入賞者には『IBM ThinkPad T-Series』が贈呈される(上位20名)ほか、上位3名はLinux Technoligy Centerへのインターンシップに招待される。また、平均点の高い大学には16Wayの『IBM eserver xSeries』クラスタが贈呈される。
米IBMのWebページには、昨年の入賞者リストや彼らのレポートが公開されている。昨年の入賞者には、米国やインドのほか、中国や韓国の学生も含まれているが、日本人の学生は含まれていない。
